掲載日 : [2018-05-16] 照会数 : 5803
ヘイト被害者に学べ…人権資料集に著書の一部引用
京都府教委中学校編Ⅱ
【京都】ヘイトスピーチに苦しむ李信恵さん(大阪在住)の著書『#鶴橋安寧 アンチ・ヘイト・クロニクル』(影書房)から一部が京都府教育委員会編集・発行の人権学習資料集<中学校編Ⅱ>『幸せであふれる社会に』で採用された。
掲載されたのは被害の実態をつづったくだり。作成委員を務めた府内の公立中学校教員が「在日外国人の人権」「共生社会の実現」という観点から引用を提案したという。
同時に2016年6月に施行されたヘイトスピーチ対策法にも触れ、「法律の整備によって『不当な差別的言動は許されない』ことを国内外に宣言したことは大きな一歩です」とした。
同資料集は京都市を除く府内の中学校教職員向けに7000部を配布した。府教育委員会学校教育課人権教育室の担当者によれば、各学校の判断で時間を設定して活用されるとのこと。
掲載された文章
ネットにあふれかえるヘイトスピーチは、在日にとっては『猛毒』だとも思う。私は、まず心を殺された。これは当事者にしかわからない感覚かも知れない。すぐに『復活』するけれど、そのダメージは後遺症となって長く残る。日々、切り刻まれていれば、完全に治癒することも望めない……
在日に対する殺害予告は日常茶飯事となり、いつかは実際に殺されかねないと思う時もある。殺されないためには、どうしたらいいのだろう。笑い話ではなく、本心からそう思う。
(2018.05.16 民団新聞)