掲載日 : [2018-06-13] 照会数 : 6605
ヘイト集会、水際で阻止…市民500人「人間の鎖」川崎市
[ 川崎市教文会館入り口で抗議の「帰れ」コール ]
「対策法」施行から2周年
【神奈川】川崎区の川崎市教育文化会館で予定されていたヘイト集会は3日、市民5百人余りが「人間の鎖」で会館を包囲したため「延期」に追い込まれた。この日の抗議行動には、市がヘイトスピーチ目的での会館の利用を制限するとした「ガイドライン」に基づく審査を行わず、市長自らの判断で利用申請を許可したことへの批判の意味合いも含まれている。
そもそもの発端は、市が、ガイドラインの適正な運用を求める市民の要請に耳を傾けず、集会申請に福田紀彦市長が「ヘイトにあたらない」と独自に判断したことによる。
抗議は集会会場が開場する13時から始まった。会場入り口では一部の有志が座り込み、集会参加者の前に立ちはだかった。集会参加者と思しき人が会場近くに現れると「レイシスト、帰れ」「ネットウヨ、帰れ」のコールを浴びせた。
一方、集会主催者たちも拡声器を手に「通せ」と繰り返し叫んだ。会場周辺は神奈川県警が警備にあたり、一時騒然となった。
この間、集会会場は開会予定の14時を過ぎても閑散としたままだった。14時45分、集会主催者が、講演の弁護士が会場に入れなかったとして開催を「延期」したことが伝えられると、会場を取り囲んだ抗議集団から安堵の拍手が起きた。
集会許可を批判
ヘイト集会の「延期」がわかると、参議院議員の有田芳生さん(立憲民主党)がマイクを握り、集会参加者に向けて「君たちがなにをしようとも君たちの居場所は日本に存在できまいことを自覚すべき」と呼びかけた。 川崎市議会の飯塚正義市議(民主党)は「一定の勝利」を喜びながらも、福田市長が第三者機関に判断をゆだねることなく、集会を許可したことを批判した。
この日はヘイトスピーチ対策法が施行されて2周年の節目。集会参加者がこの日を選んだのは対策法と市民団体の目指す人種差別撤廃条例制定の動きに冷水をかけるのが目的だったと見られる。
(2018.06.13 民団新聞)