津市立みさとの丘学園中学校(鈴木知巳校長)の3年生と教員ら29人が東京に修学旅行中の15日、民団中央本部を訪れ、人権学習と在日韓人歴史資料館を見学した。2015年に同校生徒が「資料館」を訪れ、16年に津市で故韓久・民団三重県本部事務局長らが人権学習を実施したのがきっかけ。
講師の裵哲恩民団新聞副局長は「多文化共生と在日の人権」をテーマに、まず80年代の外国人登録法改正運動を取り上げた。指紋押捺・登録証の常時携帯制度に反対する意思を、民団が実施した「100万人署名運動」に一本化し、人権侵害に理解を示した日本世論の後押しで181万人を超える署名を達成、運動を成功させたと評価した。
その一方で、2010年代のヘイトスピーチの台頭は、出自や意見の異なる他者を排斥するものであり、増え続ける外国人との多文化共生を図る現代日本の状況に逆行すると批判した。生徒は「外国人という理由だけで指紋を強制されるのはひどい」「自分と違うからといって、排除するのは良くない」と人権尊重に即した感想を述べた。(2018.05.30 民団新聞)