掲載日 : [2019-06-26] 照会数 : 6685
14代薩摩焼窯元 沈寿官氏が死去
韓日交流にも尽力
薩摩焼窯元の14代沈寿官(ちん・じゅかん、本名大迫恵吉=おおさこ・けいきち)さんが16日15時20分、肺炎のため鹿児島県いちき串木野市内の病院で死去した。92歳。鹿児島県日置市出身。自宅は同市東市来町美山1715。
告別式は19日、鹿児島市大竜町10の2、吉田葬祭典礼会館で営まれた。喪主は長男の15代沈寿官(本名一輝=かずてる)さん。民団中央本部から呂健二団長が18日の通夜に参列した。
16世紀末の丁酉倭乱で韓半島から薩摩に連れてこられた陶工の末裔。64年に14代を襲名。白薩摩や黒薩摩の作品などを幅広く手掛けた。韓日文化交流にも尽力し、89年には日本で初となる大韓民国名誉総領事に就任。99年に韓国銀冠文化勲章、10年には日本政府の旭日小授章を受章した。04年には韓日首脳会談を終えた盧武鉉大統領を沈寿官窯に迎え、薩摩焼の由来や特徴について詳しく説明した。
陶工の歴史を描いた司馬遼太郎の小説「故郷忘じがたく候」のモデルとしても知られる。
(2019.06.26 民団新聞)