掲載日 : [2019-03-20] 照会数 : 6138
墓苑復旧まであと一歩…在日同胞運営、西日本豪雨で被災
[ 在日同胞の権養伯さんが運営する「矢野やすらぎ墓苑」 ]
彼岸入りで一時開放 8カ月ぶりに
【広島】西日本を中心とした記録的豪雨による土砂災害で昨年7月から立ち入り禁止となっていた広島市安芸区の「矢野やすらぎ墓苑」が、春の彼岸シーズンを迎えて利用者に一時開放される。期間は21~24までの4日間。その間は地盤復旧補強工事を一時中断する。
墓苑は広島でアミューズメントを中心に飲食、ホテル、不動産など幅広く事業を展開している在日同胞の伯和グループ(権養伯会長)が運営する。渓谷を切り開いて開園したため、山からの土砂が直撃し、墓石168基を破壊した。
墓苑内通路部分の巨岩、流木などの撤去作業が終わるや、4つの区画内でも特に被害が大きかった水蓮区画で全墓石を解体し、再設置作業を急いでいる。同時に区画内の地盤復旧補強工事も進めているため、骨壺を新しい墓石に納めて開眼供養を行うのは当初予定の4月末から半月ほどずれる見込みだという。
伯和グループの役員は「自然災害だが、行政に補償を求めるよりも墓苑を購入してくれたお客様が少しでも早く安全、安心してお参りできるようにと考えた。復旧費用は膨大だが、伯和グループ全体でまかなおうというのが権養伯会長の考えだ」と語った。
西日本から東海地方を襲った大雨被害は広島だけでも114人(昨年11月16日現在)の死者を出した。矢野やすらぎ墓苑の被災は民団広島本部の同胞宅戸別訪問で明らかになった。
(2019.03.20 民団新聞)