掲載日 : [2018-07-25] 照会数 : 5662
<西日本豪雨>被災同胞支援へ全力…合同体制で調査・作業
[ 被災した団員宅で復旧作業にあたる県本部の幹部ら(15日広島で) ]
対策本部 義捐金募集を開始
警察庁のまとめによると、西日本豪雨の被災地での死者は22日現在、15府県で224人に上った。在日同胞の人的被害は報告されていないものの、広島や岡山本部管内で土砂崩れや冠水などによる被害を被った同胞宅も多い。被災地方の復旧作業に着手した民団中央本部は、10日に開いた第2回対策会議で「西日本豪雨災害民団対策本部(呂健二本部長)」を設置、被害者支援と義捐金募金などを決めた。23日には呂本部長が被害が大きかった広島、岡山両本部を訪れ、復旧支援活動を労うとともに見舞金を伝達した。
広島・岡山 幹部も現場で応援
【広島】自宅や店舗が冠水し、土砂が住居に流れ込んだ団員宅がある。浸水したために部品がすべて廃品になり、営業も不能になった工場もある。15日に県本部の李英俊団長をはじめ安芸支部から李洙千監察委員長ら12人、民団大阪本部の崔俊一文教部長、元大建組織主任、任徳和職員らと駐広島韓国総領事館の金宣杓総領事ら8人が、安芸支部の林炳根顧問、矢野地区の韓剛団員宅を訪問し、土砂の運び出しに精を出した。16日にも安佐支部、安芸支部の被災団員宅を訪問した。18日には民団山口県本部の李直隆副団長も加勢に来た。婦人会安芸支部の黄貴先会長は、団員の安否確認作業などに従事した。
李団長には全国の青年会OBや民団幹部から激励や殺菌洗浄剤などの救援物資提供の申し出が相次いだ。「心配してくれる皆さんの支えが励みになる」と語った。
李団長と権俊五監察委員長、文晶愛局長は23日、広島市東区江坂の団員宅を訪問した。自宅前の石垣が崩落し、1階部分が全壊。2階部分だけが残った。
西日本豪雨災害民団対策本部の呂健二本部長(中央本部団長)は同日、広島市東区の被災同胞宅を県本部の李団長、権監察委員長、文晶務局長とともに視察した。
【岡山】中央本部の孫成吉生活局長は13日、岡山本部の金成植団長、姜博副団長らと事前協議をした後、長靴や作業着などの備品買い出しに走った。中央本部の金利中副団長が大阪出張から足を伸ばして岡山県本部を激励に訪れ、カンパ金を金学事務局長に手渡した。
14日には被害の大きかった高梁市と倉敷市真備地区の2つに分け、復旧作業に取りかかった。高梁市の復旧作業には金団長のほか、大阪本部の朴鍾寛事務局長らが応援に駆け付けた。被害にあった同胞の工場から破損したタイヤの片づけに大汗を流した。
倉敷市は市の中央を流れる高梁川が決壊し、川の西側にある真備町が濁流の浸水に見舞われた。同町の南を流れる小田川も決壊したため、壊滅的な状態に追い込まれた。
同胞が経営する焼肉店は、濁流による冠水で使用不能になった厨房機器や冷蔵庫をすべて廃棄した。商工会幹部の自宅も冠水し、1階の家具はすべて粗大ゴミになってしまった。
片付けをしたのは岡山県本部の幹部のほか、香川県本部の石隆弘事務局長ら。孫局長は「すでに水は引いているが、地上5㍍くらいの建物の2階まで浸水の跡があった。東日本大地震の津波が襲った後の宮城や岩手の沿岸部と同じ光景だった。ヘドロと下水が混ざった悪臭と乾いたヘドロの粉塵は、テレビなどの映像では伝わらない災害だ。持続的な救援活動が必要だ」と強調する。
(2018.07.25 民団新聞)