掲載日 : [2019-03-21] 照会数 : 6006
韓国の伝統印刷技術を日本初公開資料で紹介
大阪韓国文化院で特別展
韓国忠清北道の「清州古印刷博物館」が所蔵する韓国の印刷文化に関連する特別展「韓国の古印刷文化大阪特別展」が、大阪韓国文化院(大阪・北区の大阪韓国人会館4階)で開催されている。同博物館主催、同文化院が後援した。
今回の展示には、ユネスコ世界記録遺産に登録され、現存する世界最古の金属印刷活字本「白雲和尚抄録仏祖直指心体要節=直指(チッチ)」の影印本(複製本)をはじめ、韓国の伝統的な印刷技術に関する資料約30点(日本初公開)が展示されている。
「直指」とは、1377年に韓国の清州興徳寺で刊行された現存する最古の金属活字印刷物のこと。1800年代末、在韓フランス公使として勤務していたコラン・ド・プランシが韓国の多くの資料を収集し、持ち帰った中にこの「直指」も含まれており、1952年にフランス国立博物館に寄贈された。
7日初日の開幕式には、同博物館の黄正夏学芸研究室長はじめ、韓国の「重要無形文化財第101号金属活字匠保持者」の林仁鎬氏も来日した。黄室長は「この展示をきっかけに、日本の印刷文化研究のさらなる発展につながり、韓国文化も深く知ってもらえたら」と期待を寄せた。
同文化院の鄭泰九院長も「多様な韓国文化をみなさんに紹介できることに感無量。たくさんの人に伝えたい」と喜びをあらわにした。
開幕式には、民団大阪本部の呉龍浩団長はじめ婦人会同本部の金秋江会長や地域住民など多数がお祝いにかけつけ、黄室長から呉団長に「直指」の影印本が贈呈された。
開幕に先立ち、林氏が金属活字版を使い「直指」の印刷を再現するデモンストレーションや直指および韓国の伝統的な印刷技術に関連する特別講演会もあわせて行われた。展示は30日まで。入場無料。
問い合わせは同文化院(06・6292・8760)。