掲載日 : [2018-12-26] 照会数 : 5876
朝鮮通信使 随行画工が遺した絵は
高麗博物館 パネルで再展示
韓日交流の歴史に焦点をあてたミニ・ミュージアム「高麗博物館」(東京都新宿区大久保)で企画展「朝鮮通信使随行画員展‐画員たちはどんな絵を描き残したか」が開催されている。関連の歴史資料がユネスコの世界記憶遺産に登録されたのを記念。「朝鮮通信使を新しい角度から考えてみよう」と、2013年初頭に続き100点を超す絵を29枚の写真パネルで再展示した。
画員は宮中の専門画工の中から1~2人が任命されて随行。対馬から江戸までの道中に町や港の有様を絵や図で記録した。日本人からの揮ごうに応じることも多く、日本の文人画に大きな影響を与えたとされる。今回は朝鮮朝中期から後期にかけて随行した画員13人が遺した作品に来日前・後に描いた絵も加え、優れた個々の作風を理解できるように工夫した。
日本でもよく知られているのが金明国の描いた禅画「達磨図」や「寿老図」だろう。奔放自在、鋭い速筆な筆致で多くの秀作を残した。17~18世紀に活躍した俵屋宗達や伊藤若沖らの作品と比較すると、朝鮮の絵画が日本の絵師に少なからぬ影響を与えていたようだ。
朝鮮通信使行列のジオラマや朝鮮通信使を題材にした各地の人形、図版資料なども参考展示されている。
来年2月3日まで(12~17時、月・火曜日・年末年始休館)。入館料400円(中高校生200円)。問い合わせは同館(03・5272・3510)。
(2018.12.26 民団新聞)