掲載日 : [2018-08-29] 照会数 : 5924
趙善玉の「飲食知味方の世界」ナンミョンポッ
かつては宮廷料理
8月のコラムでは麺料理を紹介しています。『飲食知味方』に出てくるそば粉、デンプン粉に続き、今回は、小麦粉を使った麺「卵麺法/ナンミョンポッ」です。
小麦粉に水は一切入れず、卵だけで練りあげた生地を薄くのばして切ります。麺はもちもちとした食感で、キジ肉の温かいスープでいただきます。高価な小麦粉に当時は貴重だった卵で作る卵麺は、朝鮮朝時代の宮廷料理の一つでしたが、今では韓国の麺を代表するカルグッスに姿を変えました。うどんのような麺の始まりと言われています。
このコラムを通じて、改めて韓国料理の「古今」を感じています。『飲食知味方』は、現代の韓国料理の基礎となるハングルで最初に書かれた料理書ですが、長い時間の経過の中で今は食べなくなった料理、名前は同じでも内容がまったく異なる料理、ほとんど変化はなく宮廷から庶民の味になった料理などがあります。
皆さんもこのコラムを読んでいろいろなことを学んでいると思います。今度、韓国料理店に行ったら、コラムを思い出しながら食べてみて下さい。違う韓国を感じられるのではないでしょうか。
◇材料(4人分)
<麺>
小麦粉450g、卵5個、塩少々
<だし汁>
キジ肉200g(鶏肉で代用)、水1L
<スープ>
キジ肉だし汁600g、醤油小さじ1、塩少々
<飾り>
卵1個、食用油適量、塩適量
◇つくり方
1.小麦粉に塩を入れてからふるいでこし、溶いた卵を加えてこねて、濡れた布をかけておく。
2.鍋にキジ肉と水を入れて1時間ほど煮込み、キジ肉のだし汁を作る。
3.②のキジ肉のだし汁に醤油を入れ、塩で味を調えスープを作る。
4.熱したフライパンに油をひき、溶いた卵に塩を入れ薄く焼いて千切りにする。
5.①の生地は、0.2㎝の厚さに伸ばしてから、0.3㎝幅に切り、小麦粉(分量外)をまぶしておく。
6.鍋でお湯を沸かし、⑤の麺を茹でて、冷たい水で洗って水気をきっておく。
7.③のスープを沸かし、⑥の麺を入れて温めて器に盛り、④の卵をのせて出す。
*季節の野菜を千切りにし、醤油とゴマ油で味つけしたものをのせても良い。
(2018.08.29 民団新聞)