法律相談Q&A

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法律相談Q&A 内容

掲載日 : [20-10-28]   照会数 : 3753

不倫と離婚…婚姻費用の請求が可能

Q

 結婚して20年になる夫が、長年に渡り不倫をしていたことがわかりました。とてもショックですし、夫による裏切り行為に納得がいきません。しかも夫は不倫発覚をきっかけとして自宅を出た上、離婚を突き付けてきています。

 私としては少なくともまずは不倫相手の女性とのけじめをつけたいと考えています。このような場合、夫からの離婚請求に応じなければならないのか、相手女性に対しては何を請求できるのか教えてください。

 それから、仮に夫からの離婚に応じない場合の生活の目途をどう立てたらよいかも教えてください。

A

◆不倫相手に慰謝料請求
 20年に渡る婚姻生活が、配偶者の不倫により破壊させられてしまい、途方に暮れていることと思います。このような場合まず、不倫相手の女性に対して慰謝料請求をすることが可能です。

 当然、不倫相手の女性について、夫が既婚者であると知っていたか知り得たことが必要ですが、長年の不倫であれば通常はこの点は問題になりにくいと思います。

 また、請求できる慰謝料額としては不倫関係により離婚に至ったか否か、不倫関係の期間や回数、夫婦の間に未成年の子があるかどうかなどにより変動します。具体的な金額をここでお示しすることは適切ではありませんが、今回のように婚姻期間も不倫期間も長く、その結果離婚の危機に至ったような場合では平均的な慰謝料相場を上回ることが多いと言えます。

◆証拠の確保が大切
 そして、不倫の慰謝料を請求するにあたってはいわゆる「証拠」も重要となります。メールやLINE、写真などがこれにあたります。場合によって探偵に調査を依頼して証拠を保全するケースもあります。

 このようにして不倫の慰謝料を請求すると同時に不倫相手に対して不倫関係の解消や、以後の接触禁止を求めることもありますが、このあたりの進め方は弁護士に実際にご相談の上で進めることをお勧めします。

◆離婚拒否が可能
 さて、不倫が発覚したにもかかわらず離婚を求めてきた夫に対してですが、いわゆる「有責配偶者」と呼ばれ、原則として裁判所は夫からの離婚請求を認めません。したがって、不倫をされたことや離婚を求められることに納得がいかないようでしたらこれを拒否することは当然に許されることです。

 その上で、夫が生活費を渡さなくなるなどした場合には、婚姻費用の請求が可能です。いくら離婚を求めて来ても配偶者であることに変わりはなく、必要な生活費を負担する義務があるのです。

 この婚姻費用の支払いを確保してもらい、今後の生活の目途を立てていくこととなります。婚姻費用の支払い金額などは当事者間の協議で決めることも出来ますし、協議が出来ない場合には家庭裁判所に調停を申し立てることでも可能です。

弁護士 呉 裕 麻

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