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<コラム・布帳馬車>在日韓国人のDNA
2005-10-05

 料理上手の姑のもとで育ったせいか、夫は韓国料理一筋の生活を送ってきた。それなのに、本格的な韓国料理を習ったことのない私は結婚当初、平気で食膳にポテトサラダやハンバーグを並べ、夫を閉口させたものだった。

 ある日、遠方に住む長男家庭を夫婦で訪ねた。私たちは可愛い孫を連れてピクニックに出かけようということになった。日本人の嫁が卵焼きとか野菜の煮物で彩られた弁当を持たしてくれた。夫は決して箸を付けようともしなかった。

 しばらく経って長男に電話で諭した。「今度父親の弁当をつくる機会があったら、主食は大きなおにぎり2個。おかずは細切れの安い牛肉を甘辛く炒め、粉唐辛子をまぜたもの。副菜はこんにゃくに唐辛子を入れて炒めるだけでいいから」と。

 意に反して、長男は反発した。このときばかりは怒りがこみ上げ、メールで「アホ、ボケ、スカタン、『在日』の食材の何が悪い」と送信した。

 夫は老後に独り残されても、日本的な食材が並ぶ老人ホームを嫌い、独り住まいを選ぶだろう。その際に「孤独な老人にだけはしないように」。これは長男が国際結婚の道を選んだとき、言い聞かせたことだ。私の諫言をすっかり忘れ、日本人に同化していく危機感が怒りに火をつけたのだ。

 国際結婚はいい。しかし、父親を介し、DNAとして代々受け継いできた在日韓国人1世の味が息子の代で途切れてしまうとすれば余りにも淋しい。(Y)

(2005.10.5 民団新聞)
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