| 1.相続税 イ.概念
相続税は死亡した人の財産を相続する人に賦課される税金である。財産相続は不労所得の性格を持っており、本人の努力よりは父母などの死亡という自然現象によって財産が世襲されるものなので階層間所得不均衡と生産意欲の低下という副作用をもたらす。
従って、相続税は特定人に対する富の集中を防ぎ、所得の再分配を図ることができるという点で重要な意味がある。
ロ.納税義務者
▼相続税の賦課対象
相続が開始された時、被相続人が国内に住所を置いていたり国内に相続財産がある時には相続税法によって相続税が賦課される。
相続税の納税義務者は財産を相続した相続人であり、相続人が数名の場合にはそれぞれ相続した財産の範囲内で互いに連帯して相続税を納付する義務がある。
被相続人が国内に住所がある時には、すべての財産を相続財産とみて相続税が賦課される。被相続人が国内に住所を置いていない時には、国内にある財産のみを相続財産とみて相続税が賦課される。
▼相続持分および放棄
相続人が数名の場合、その相続持分は均等なのが原則だが、被相続人の配偶者がいる場合にはその配偶者の相続分が他の相続人たちの相続分より50%多い。
相続人が自分の相続分を放棄しようとする時には、相続開始後3カ月以内に裁判所に申告すればよい。このように相続を放棄したことに伴い相続する財産がまったくない場合には相続税を納付する必要がない。
ハ 申告と納付
▼申告
被相続人、すなわち死亡者が国内に住所がある場合には被相続人の死亡当時の住所を管轄する税務署に相続税を納付するようになる。被相続人が国内に住所がない場合には、国内にある財産の所在地を管轄する税務署に納付するようになるが、国内の相続財産が数カ所にある場合には、そのような相続財産の中で主要な財産の所在地を管轄する税務署に納付すればよい。
相続人は相続開始日(死亡した日)から6カ月(被相続人または相続人が外国に住所を置いた場合には9カ月)以内に管轄税務署に申告しなければならない。同期間内に正しく申告した場合には10%の相続税額控除の恩恵を受けるが、同期間内に申告しなかったり申告内容が不誠実な場合には20%の加算税が賦課される。
▼納付
納付しなければならない相続税額が1000万ウォンを超える時には、管轄税務署長に3年(ただし、家業相続財産の場合は5年、相続財産中、家業相続財産の占める比率が100分の50以上の場合は7年)の期間内で年賦延納(分割納付)の許可を申請できる。この場合、担保を提供しなければならない。
また、相続財産中、不動産と有価証券の価額が1/2を超過し、相続税額が1000万ウォン以上の場合には、相続人が管轄税務署長にその不動産や有価証券で納付することを申請できる。
ニ.相続税額
▼基本原則
相続税額は相続税課税価額から各種相続控除を行い相続課題標準を算出した後に課税標準に税率を掛けて算出される。
相続税課税価額とは、相続財産の価額に相続開始日前10年以内に相続人に贈与した財産の価額と相続開始日前5年以内に第3者に贈与した財産の価額を合算した後、公課金と葬礼費用および債務などを控除したもの。このように相続財産に加算される贈与財産は、被相続人が国内に住所がある場合には国内・外財産を問わないが、被相続人が国内に住所がない場合には国内財産に限定される。
▼控除
このような相続税課税価額から、さらに基礎控除(2億ウォン)、配偶者控除(最小5億ウォン控除または法定持分内の実際相続価額中30億ウォン限度)、子女控除(1人当り3000万ウォン)、未成年者控除(500万ウォン×20歳までの残余年数)、60歳以上年老者控除(1人当り3000万ウォン)、障害者控除(500万ウォン×75歳までの残余年数)など各種控除対象金額を差し引き相続税の課税標準を算出するが、以上のような各種控除(配偶者控除除外)を適用する代わりに5億ウォンの一括控除を選択することもできる。
配偶者と子女が共同で相続した場合、配偶者最小控除5億ウォン、一括控除を選択した場合5億ウォン、合計10億ウォンが控除されるので、10億ウォン以下の財産を相続する場合には相続税をまったく負担しなくなる。
▼税額算出
このように相続税課税標準が算出されれば、課税標準に10〜50%の税率を掛けて相続税額が算出される。もし、祖父母がその子女が生きているにもかかわらず、直接孫たちに相続する場合には、このような相続税額から30%が加算され、外国にある相続財産に対して外国の法令によって相続税を賦課される場合や、前述した相続財産価額に含まれた贈与財産に対する贈与税額などは納付する相続税額から控除される。
具体的な税率は、1億ウォン以下は10%、1億ウォン超過5億ウォン以下は1000万ウォン+1億ウォンを超過する金額の20%、5億ウォン超過10億ウォン以下は9000万ウォン+5億ウォンを超過する金額の30%、10億ウォン超過30億ウォン以下は2億4000万ウォン+10億ウォン超過する金額の40%、30億ウォンを超過する場合は10億4000万ウォン+30億ウォンを超過する金額の50%と規定されている。 |