掲載日 : [2022-05-21] 照会数 : 4736
韓米同盟をグローバルで包括的な戦略同盟に発展
[ 尹錫悦大統領(右)とバイデン米国大統領(写真:第20代大統領室) ]
20日から韓国入りした米国のバイデン大統領と韓国の尹錫悦大統領との初の韓米首脳会談が、21日午後、ソウル龍山の大統領執務室で行われ、韓米同盟をグローバルで包括的な戦略同盟に発展させていくことで合意した。
今回の韓米首脳会談は、尹錫悦大統領の就任から11日目に行われ、歴代政権もっとも早い時期に開かれた。
会談では、両国外相や安全保障担当者が同席した少人数会合、首脳2人だけによる会談、そして経済担当相らが出席する拡大会合の3つが行われた。
会談では、北韓対策、経済安全保障、そしてグローバルな協力体制について、意見が交わされた。
会談後の共同記者会見では両首脳が記者団の前に立ち、合意内容を盛り込んだ声明を発表した。
まず、核とミサイルの両方の開発を進める北韓に対しては、韓半島をはじめ世界の平和と安定に重大な脅威となっているとして、抑止力を強化し北韓の完全な非核化をめざすとする目標を再確認した。
そして韓米両国が合同軍事演習の範囲と規模を拡大するための協議を始めることで合意した。
一方で、対話の扉は開かれているとして、北韓が実質的な非核化に踏み切れば、国際社会と協力して北韓の経済などを改善できる計画を準備していると明らかにした。
あわせて、新型コロナウィルス関連の人道主義的な支援の意思を改めて確認した。
さらに経済安全保障の分野でも、韓米両国の協力を強化することで合意しました。
また両国は経済安全保障対話を新設し、デジタル経済やサプライ・チェーンの強化などに向けて協力していくこと、米国が主導して発足させる新たな経済圏構想、IPEF=「インド太平洋経済枠組み」への韓国の参加を公式に発表した。
両首脳は共同声明で、台湾海峡の平和と安定を維持する重要性についても改めて表明。
バイデン大統領は20日午後5時20分ごろ、専用機で京畿道烏山にある米空軍基地に到着し、最初の日程として近くの平澤市にある三星電子の半導体工場を訪れた。
待ち構えていた尹錫悦大統領と固い握手、挨拶を交わしてから工場の視察に入った。
バイデン大統領は、同盟国とともに半導体などの供給網の再編を進めており、韓国と米国の協力の意志を世界に誇示した。
21日は首脳会談に先立って、バイデン大統領は国立墓地のソウル顕忠院を参拝後に大統領室庁舎に移動し、首脳会談に臨み、龍山の国立中央博物館で韓国10大財閥のトップらも参加した尹大統領主催の晩餐会に出席した。
バイデン大統領は、22日午前に京畿道の烏山空軍基地から次の訪問先の日本に入国した。