掲載日 : [2018-05-16] 照会数 : 14001
法曹フォーラムが広島でセミナー…「相続」「差別」活発な質問
[ 広島県本部で開かれた第7回公開セミナー法律・人権セミナーIN広島 ]
在日韓国人法曹フォーラム(李宇海会長)は12日、民団広島県本部で第7回公開セミナー「法律・人権セミナーIN広島」を開催し、広島県地方本部・支部の役職員ら50人が参席した。各国の国籍制度・特に複数国籍制度について(殷勇基弁護士)、在日同胞の親族・相続関係を巡る法律問題(張界満弁護士)、ヘイトスピーチを巡る現状と条例制定の動きについて(趙學植弁護士)の三つの講義が持たれた。
李会長は主催者として、「首脳会談が行われ、南北融和的な雰囲気もあるが、それでも、在日を取り巻く差別と闘わなければならないのは、ほかならぬ在日自身であることを忘れてはならない」と力説し、「今回のセミナーを通じて、法律と人権を学ぼう」とアピールした。
広島県本部の李英俊団長はあいさつで「民団の役員はどうしても組織のことが優先になり視野が狭くなりがちだが、今日のセミナーを通じて改めて国際性を身に着けよう」と呼びかけた。
講義では、殷弁護士の「今、在日は10組中9組が国際結婚であり、韓国籍だけを持って生まれて来る子どもは10人に1人の時代だ」との指摘に会場がどよめき、趙弁護士の「2年後のオリンピックを控え、東京都でもマイノリティーへの差別禁止を含めた条例制定の動きがある」との話には拍手が沸き起こった。
相続に関する質問では、相続法は被相続人(亡くなった人)の国籍国の法律に従うが、韓国と日本では内容に違いがあり、韓国法には日本法にはない代襲相続権(例…親が亡くなった時、相続人である複数の子のうちすでに死亡している子の子ども(孫)にも相続権が引き継がれること)があるとの張弁護士の説明に「意外だったが、この説明を聞けて良かった」という反応もあった。
公開セミナーは秋には茨城で実施の予定。
(2018.05.16 民団新聞)