掲載日 : [2017-08-02] 照会数 : 8112
<平昌五輪>スキーでもメダルを…期待一身に金マグナス選手
[ 札幌アジア大会で優勝し太極旗を掲げる金マグナス ]
母の国の代表に…アジア大会「金」の19歳
クロスカントリー・スプリント
韓国は1948年のスイス・サンモリッツ冬季五輪を皮切りに、14年ロシア・ソチ大会まで全18回、冬季五輪に出場した。
はじめてメダルを獲得したのは92年、フランス・アルベールビル大会だ。スピーチスケート・ショートトラックの男子1000メートルで金が金メダルを獲得した。また、同大会ではスピードスケート男子1000メートルで金潤万が銀メダルに輝いた。その後の大会でも、スピードスケート・ショートトラックを中心にメダルを量産し続けてきた。
そして、10年のカナダ・バンクーバー大会では「冬季五輪の華」でもある女子フィギュアスケートでキム・ヨナが最高得点を記録して金メダルを獲得するなど、韓国は冬季スポーツ強国へと成長してきた。
とくにバンクーバー冬季五輪では金6、銀6、銅2の計14個のメダルを獲得して、総合5位の快挙を成し遂げた。
しかし、韓国が過去の冬季五輪で獲得したメダルの内訳をみると、26個の金メダルのうち、21個がショートトラックによるものだ。次いで、スピードスケートが4個、フィギュアが1個。ショートトラックは銀メダルも12個を獲得しており、韓国の冬季種目と言えばスケートというイメージが植え付けられている。
大韓体育会を中心に韓国のスポーツ界では自国開催の平昌五輪を、その他の種目が飛躍する契機にしようと考えている。とくにまだメダルと縁がないスキー種目で史上初のメダルを狙っている。
その中でも期待されるのが、2月の冬季アジア札幌大会クロスカントリー男子スプリント・クラシカルで金メダルを獲得した金マグナス(19)だ。昨年2月のユース冬季五輪のクロスカントリーでクロスと10㎞の2種目で優勝し、ノルディック・ジュニア世界選手権でもスプリントと10㎞で銀を獲得している。
ノルウェー人の父と韓国人の母を持つ2重国籍のマグナスは、船舶会社に勤務する父が釜山に駐在していた98年に生まれ、小学生の時に1年間、スピードスケート・ショートトラックにも取り組んだ。9歳まで釜山で育ったが、スキー強国でもあるノルウェーに移った11年からはスキーのクロスカントリーに転向し急成長した。
15年4月、マグナスは人生で重大な選択を迎えることになった。2重国籍だったマグナスは、平昌冬季五輪に向けて、韓国かノルウェー、どちらかの国籍を選ばなければならなくなった。IOCの規定によると、選手が国籍を変更した場合、その日から3年間はIOCが主催する国際大会に出場できない。
ノルウェーのバイアスロン協会からも何度も誘いを受けたが、辛東彬大韓スキー協会会長の強い働きかけにより、最終的に彼が選んだのは母の国である韓国だった。
マグナスは「ノルウェーは伝統的にスキーが強く、世界トップレベルの選手も多く、自分がいなくても問題ないと判断した」としながら、「スキー種目で五輪のメダルがない韓国には、僕の力が必要だと多くの人たちがアドバイスしてくれた。また、ユース時代、韓国に良い思い出がたくさん残っている。平昌五輪にはぜひ太極旗をつけて出場したいと決心した」と語る。
マグナスは、韓国初のスキー種目メダル獲得へ、期待を一身に背負うことになった。
マグナスは「キム・ヨナ選手の活躍で韓国でもフィギュアブームが起きた。同じようにクロスカントリーブームを起こす選手になりたい」と、静かに闘志を燃やしている。
(2017.8.2 民団新聞)