次世代育成の願いを託して、民団が中心となって各地で趣向を凝らしたオリニキャンプ(林間学校)を企画した。連日、猛暑が続くなかでも子どもたちは元気いっぱいだった。楽しかった夏休みも間もなく足早に通り過ぎていく。
海女さんと懇談
民団東京・葛飾支部(李徳和支団長)は3日、千葉県南房総にある李徳雄同支部常任顧問の別荘で実施した。
子どもたち5人はジェットスキーに歓声を上げた。近隣でアワビやサザエを採って生計を立てている済州道出身の海女さん2人も、昼には自家製のキムチをみやげに合流した。
民団西東京本部(徐洪錫団長)は6〜8の3日間、栃木県日光市で実施した。
16人が参加。初日は江戸時代の朝鮮通信使ゆかりの今市客館跡碑を訪れ、いにしえの韓日交流に思いを馳せた。宿舎では太極旗の塗り絵やバトミントン大会、すいか割りなどを楽しんだ。
民団宮城本部(田炳樽団長)は、仙台市中心部から車で1時間ほど南にあるスポーツリゾート施設「モンタナリゾート岩沼」で実施した。青年会が主管。
民団秋田本部から団員子弟が特別参加。宮城から横浜市内に転居していたオリニも保護者と一緒に駆けつけ、総勢42人となった。7月27〜29の3日間、折り紙でチマ・チョゴリを製作するなどして過ごした。
奈良・在日外国人保護者の会は24、25の両日、大和高田市の民団奈良・北葛支部で開催した。今年で21回目。20人が参加した。初日はウリマルとノレ(歌)を学び、タル(仮面)を作った。翌日は民族楽器を体験し、料理教室でオイキムチに挑戦した。
橿原市内の小学校教師、松村道代さん(56)は、クラスに在日韓国人の子どもがいると誘って一緒に参加している。「教師の私も一緒に楽しんでいます。ここに来る子どもたちは表情が明るくなり、安心感が見られます」と語った。
離島で原始生活
青年会岡山本部(金慶燮会長)は7月27、28の両日、瀬戸内海に浮かぶ牛窓沖の黒島で実施。青年会の指導のもと、オリニ8人が電気、ガス、水道のないなかでワイルドな原始生活を体験した。初日は草を刈ってテントを張り、島内を散策。2日目は海岸で珍しい貝殻を集め、ブレスレットやリーフを手作りした。
民団大分本部(都徳述団長)が屋外でのオリニキャンプを実施したのは10数年ぶり。オリニ16人が7月28日、山間の避暑地、豊後大野市の稲積水中鍾乳洞で涼しい1日を過ごした。主管した大分青商(鄭銀一会長)の関係者と鍾乳洞を散策し、バーベキューを楽しんだ。大分韓国学校の安麗善先生の指導した韓国語講座では、自己紹介や家族の呼び方などを学び、保護者の前で発表した。付き添いの保護者たちは「とても新鮮だった」と喜んでいた。
(2013.8.28 民団新聞)