「求心体」として高く評価
「韓日の懸け橋としても役割大きい」
【ソウル】呉公太団長、金漢翊議長、韓在銀監察委員長の中央3機関長ら26人で構成された民団代表団は8月28日、青瓦台に朴槿恵大統領を訪れ忌憚のない意見交換を行い、在日同胞の懸案解決に協力を要望した。また、27日から29日にかけ、国会議長や政府各部署長官、主要政党重鎮らを歴訪、民団の当面課題について理解と協力を求め、韓日関係修復について突っ込んだ論議を交わした。朴大統領は民団を「在日の求心体」として高く評価し、積極支援を惜しまないと言明。関係要路からも在外選挙制度改革、地方参政権獲得、次世代育成、政府支援金継続など各要望事項について好意的で前向きな見解が示された。
呉団長ら 本国要路訪問し協力要望
朴大統領は青瓦台での接見で、代表団全員とにこやかに握手した後、「民団代表を心から歓迎する。皆さんには心の中でいつも感謝している」と語りかけ、具体例を次々にあげながら「在日同胞は祖国の危機には全力で支援し、国力回復に貢献してくれた。これは国の誇りだ」と称えた。次いで、「今後も民団を中心に頑張って欲しい。在日同胞社会発展のために政府も積極支援する」と約束した。
呉公太団長はあいさつの冒頭、故・朴正熙大統領が民団に寄せた温かい配慮に触れ、朴槿恵大統領が自叙伝でつづった在日同胞への格別な愛情に感謝を表明。次世代育成の隘路、韓日関係悪化の影響、韓商連問題の正常化など、民団の抱える懸案を率直に報告、「新任の李丙駐日大使とも力を合わせ、豊かで活気ある同胞社会建設に邁進する」と誓った。
合わせて、「在日同胞は民族主体性を守りながら、韓日関係の改善、祖国の発展と平和統一に向け、与えられた役割を力強く遂行する」との決意を明らかにした。
意見発表で金漢翊議長は、「3年後に創団70周年を迎える民団は、多様な価値観を吸収し、新時代に対応するビジョンを策定中だ」と述べ、「朝総連からの離脱同胞、新規定住者、日本国籍取得同胞などすべての同胞が民団を中心に結集するよう努力したい」と強調した。
韓在銀監察委員長は「開城工団や離散家族再会問題の進展は、大統領が提唱する韓半島信頼プロセスの起点になる」とし、「しかし、南北関係が進展しても、北韓の基本路線が変わらない限り堅固な安保体制が不可欠だ」と指摘、国家保安法と国家情報院の重要性に言及した。
最後に、呉英義副団長が民族学校の充実とオリニ・ジャンボリーなど次世代育成事業に対する支援を訴え、建立を推進中の「長崎韓国人原爆犠牲者慰霊碑」について、「犠牲者の魂を慰め、在日同胞の位相を高めるためにも、大統領に揮毫していただきたい」と要望した。
逐一メモに取っていた朴大統領は、まず韓日関係について、「心配をかけている。しかし、政治面が悪くとも国民間の関係は良好だ」との見解を示し、「歴史認識は正されるべきだが、韓日は共同の利益や共生の追求も忘れてはならない。韓日関係はいずれ回復に向かうだろう」と展望、「民団の役割はこれまで以上に大きい」と期待を込めた。
各要望についても朴大統領は、「子弟教育の強化を支援し、オリニ・ジャンボリーにも助けになるよう対処する。長崎の慰霊碑についても関心を持って臨む」と言明、「民団には価値観や構成員の多様化があるが、在日の求心体として団結を固め、生活向上にいっそう努力して欲しい」と激励した。
(2013.9.11 民団新聞)