掲載日 : [2021-03-31] 照会数 : 4426
人命救助で感謝状…横浜南消防署、在日同胞ら2人に
[ 感謝状を持つ崔成銀さん(左)と福本時子さん ]
「あえて火元に行った勇気」いち早い通報が類焼防いだ
【神奈川】横浜市南消防署(小出健署長、南区船町)は18日、身を賭して人命救助にあたった福本時子さん(82)と韓国籍の崔成銀さん(41)の2人に「感謝状」を贈った。2人は炎上中の横浜市市南区六ツ川2丁目の木造2階建て住宅から100歳代の女性を助け出した。
南消防署によれば、出火したのは2月20日8時43分ごろ。近隣に住む福本さんと崔さんが駆けつけた時は、室内に煙が充満していて真っ暗。なかの様子はまったくうかがうことができなかったという。
玄関は施錠されていた。「助けて」の声を頼りに2人で探したところ、1階居間の窓付近で女性を発見した。福本さんによれば「煙のなかから幽霊のように立ったおばあちゃんがのしかかってきた」。
このとき、女性と同居している孫がたまたま車で帰って来たことも、窓の高い柵越しに救出するにあたって幸いした。
出火当日、横浜市内には強風注意報と乾燥注意報が発令されていた。小出署長は「あえて火元にまで行ってくれた勇気」を称えながら「2人がいなかったら(女性は)間違いなく命を落としていた」と述べた。
いち早く消防署に通報したのは崔さんだった。小出署長によれば「通報が遅れていたならば、隣接する住宅も全焼していたことだろう」という。消火活動が早かったため、2棟は外壁、1棟はフエンスを焼くだけにとどめた。
(2021.03.31 民団新聞)