掲載日 : [2006-11-01] 照会数 : 5686
尼崎入居差別業者にも責任 大阪高裁が認定
【兵庫】尼崎市内で韓国籍であることなどを理由に民間賃貸住宅への入居を拒否された在日同胞カップルが、家主と仲介業者に慰謝料など合わせて242万円の損害賠償を求めていた事件の控訴審判決で大阪高裁は10月5日、国籍による入居差別が違憲・違法であるとの明確な判断を示した。ただし、訴えそのものは棄却した。
判決文は「賃貸借契約の拒否は1審原告らの国籍を一つの理由とするもので、憲法14条1項の趣旨に反する不合理な差別であり、社会的に許容される限度を超える違法なものというべきである」と認めた。さらに踏み込んで「仲介業者には、その依頼者たる家主において入居希望者が外国人であることを理由に賃貸借契約の締結を拒絶しようとした場合に、それの撤回を求めて働きかける義務がある」と示した。
原告の李俊煕さんと朴絢子さんは、高裁が仲介業者の家主への説得義務を明示した意味は大きいとして上告しないことにした。一審被告側は既に上告しないと表明しており、これで家主に計22万円の損害賠償を命じた一審判決が確定した。
(2006.11.1 民団新聞)