掲載日 : [2020-04-11] 照会数 : 6240
日本語学校が対策会議…コロナで「運営困難」経済支援策要望へ
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い4月生の入国者がほぼゼロとなった各地の日本語学校。収入の全額を学生からの納付金に頼っているだけに、その影響は計り知れない。一部で運営困難校も出ているようだ。ある日本語学校の協会は2日、都内で緊急の対策会議を開き、立法府と行政府に経済支援策を要望していくことを決めた。
会議には東京、埼玉、和歌山から関係者が出席。各日本語学校の現状が報告された。
まず、4月入学予定者が日本への入国保留に伴い、入学そのものを辞退する事例が増えていること。学校の経営陣は授業料、寮費などの納付金の返還を迫られており、この対応が急務となっている。
授業数が減少すれば、教職員の雇用確保も課題だ。特に非常勤職員は自分が担当した授業の分だけしか給料をもらえない。休業となった時の補償をどうするか悩ましいという。さらに10月生の募集締め切りが6月に迫っているが、このままでは海外での募集活動ができない。2021年4月生の見通しも立てにくくなっている。
この結果、①正規教員・職員の雇用確保のための緊急的な財政支援②非常勤職員の生活支援のための財政措置③出入国在留管理法で求められている各規則(授業管理上の規定・各種申請事務期間に係る規定)の弾力的措置を要望していくことで一致した。
出席したある関係者は「日本語学校卒業生の9割は引き続き大学や専門学校へ進学している。1年後、2年後にはこうした高等教育機関に行く子がいなくなるだろう。人手不足で外国人労働者頼みのコンビニ業界も立ちいかなくなってしまう。ただ単に日本語学校という枠ではおさまらない大きな問題だ。この先なにが起きるのかはわからないが、先立つものは資金しかない」と沈痛な表情で語った。
(2020.04.10 民団新聞)