掲載日 : [2021-11-26] 照会数 : 2712
韓国戦争参戦に恩返し…第2回エチオピア支援チャリティー
[ エチオピアの伝統ダンスを披露する「友情の会」 ]
71年前の韓国戦争に16カ国国連参戦国としてエチオピアから駆けつけ、国土を守ってくれた兄弟たちに恩返しを‐。
在日韓国人の李鎔友さん(53)が10日、東京の武蔵野公会堂ホールで第2回チャリティーコンサートを開いた。主催は李さんが呼び掛けた草の根市民団体「日・韓・エチオピア友情の会」。事前にチケットを購入した支援者は第1回を大きく上回る250人近くに達し、支援金約100万円がエチオピア大使館に贈られた。
第1部では来客をもてなすエチオピア伝統の「コーヒーセレモニー」やダンスを紹介。第2部コンサートではクラシックの小品が演奏された。エチオピア連邦民主共和国の全権大使からは感謝の祝辞が届いた。
李さんがエチオピアと縁を持つようになったのは2018年のこと。コーヒービジネスの市場調査のため仲間とエチオピアの首都アディスアベバで滞在中、通称「コリアンビレッジ」という町でかつて韓国戦争に参戦した退役軍人と偶然出会った。
退役軍人は一人暮らし。韓国戦争で片足を失い、ベッドに横たわっていた。李さんたちの訪問を知るや、不自由な体を起こして「ありがとう、よく来た」と出迎えた。李さんによれば「久しぶりに懐かしい孫に会うかのように私たちを固く抱いてくれた」という。
エチオピアからの参戦軍は6038人を数える。52年から江原道の前方に投入され、戦死者121人、負傷者538人の犠牲者を出した。生存者は130人程度という。このほとんどが90歳を超え、不遇な状況に甘んじているとされる。
李さんは韓国企業が近い将来、人件費の安いエチオピアに進出する日がくるであろうことを見越し、現地で人材育成のためのハングル学校の建設を進めている。また、現地産の唐辛子とごま油の輸入、エチオピアでのコーヒ農園の運営と外国への売り込みも計画中。
(2021.10.24 民団新聞)