掲載日 : [2022-01-19] 照会数 : 1993
韓日相互理解へ討論…韓留連が日本の学生と「ライクスピーチ大会」
[ 韓日両国における移住労働者制度を比較分析したチームが発表 ]
共通関心事テーマに
韓国と日本の学生がそれぞれの社会的な関心事を主題におおらかな気持ちで意見を交換し、互いの国に対して理解を深めあう「第3回ライクスピーチ大会」が8日、東京・港区の韓国中央会館であった。主催は在日韓国留学生連合会(韓留連、尹竣泳会長)。SNSなどを通じて双方から合わせて60人が参加。6チームにわかれて討論を行った。
「ライクスピーチ」とは主催者による造語で、「ヘイトスピーチ」とは対語にあたる。
第1回は2018年に開催。在日への憎悪煽動がはびこっていたことに胸を痛めた当時の韓留連会長が、韓日の草の根交流を深めるため、参加者による意見表明大会として企画した。翌年の第2回も同様の方式をとったが、今回は少人数のグループにわかれ、膝を突き合わせて率直な意見を交換する場に変更した。
参加した韓日学生の比率は6対4。各チームがそれぞれ選んだテーマは共通の社会的関心事ともいえる「少子・高齢化」への処方箋に加え、両国の政治・文化の多面的な比較・分析と幅広かった。討論は休憩をはさんで2時間以上続いた。
「少子・高齢化」を選んだチームC「カムサハムニダ」は、子どもを預けられる場所を高齢者が自主的に管理運営するという「ベイビーボックス」を提案した。外部に保育できる場を求める若い夫婦と触れ合いに欠け、日常的に生きがいを感じられないでいる高齢者、双方にメリットがあるという。代表者の発表が終わると「わかりやすかった」と好意的な感想が聞かれた。
チームD「初めんなさい」は、双方が得意とする文化が各国に与えた影響を分析した。日本から韓国へアニメ、韓国から日本へはドラマが大きな反響を呼んでいることは知られている。「文化への関心が高まり、お互いの国に興味をもつきっかけになれば」と期待を寄せた。
チームA「ぴえん」は「日韓文化の融合現象」を具体的に分析した。音楽では日本でのK‐POPの流行が象徴的だ。食べ物ではチーズタッカルビが挙げられる。韓国でも日本のうどん、寿司、天丼、古着ファッションが好んで受け入れられている。さらに双方の食文化が融合した一例がチーズとんかつだという。
審査の結果、上位3チームにアマゾンギフトカードが贈られた。
主催団体を代表して尹会長は「政治と民間を分け、学生たちがお互いの国に対してより理解を深め、肯定的な部分を発見することで韓日関係の改善に貢献することを期待したい」と述べた。民団中央本部からは徐順子文教局長が出席し、激励辞を述べた。
(2022.01.19 民団新聞)