掲載日 : [2018-09-12] 照会数 : 6165
2・8独立宣言の跡地に記念碑を…100周年前に機運高まる
[ 2・8独立宣言発表の場に立つ朱宰亨総務(左)と職員の田附和久さん ]
「2・8独立宣言」(1919年2月8日)から来年は節目の100周年。「宣言」発表の場となった在東京朝鮮基督教青年会(YMCA)会館の跡地に記念碑を建立しようとの声が在日本韓国YMCA関係者の間で再び高まっている。
旧会館は1914年9月、当時の神田区西小川町2‐5に新築された。敷地面積130坪、建坪74坪。2階建ての木造洋風造りだった。この建物は1923年9月1日の関東大震災で消失し、新会館が跡地から600㍍ほど離れた千代田区猿楽町の現在地に竣工した。
在日韓国YMCA創立から100周年を迎えた06年にも跡地に記念碑を建立しようと取り組んだことがある。当時の住所は分かっていたので古地図を複数集め、現地図と照らし合わせながらおおよその場所を特定した。しかし、当時は「第三国人発言」で問題となった石原慎太郎都知事の時代。行政との約2年間の交渉は難航を極めた。
青年会や学生なども加わった「代表者会議」として行政との交渉を担った金秀男前総務は「窓口の職員の対応はいいのに具体的に話が進むと壁にぶつかる。たぶん、上がだめだと言っているのでしょう。碑が必要だとの思いを日本の友人と共有していきたい」と語った。
金さんから課題を引き継いだ現総務の朱宰亨さんは、「都や区との話し合いは当時よりは難しくないと思っている。韓日関係がよくなってきたら区や土地の所有者とも話し合ってみたい」と意欲を示している。
資料室充実など記念募金展開中
在日本韓国YMCAは「2・8独立宣言100周年記念募金」を呼び掛けている。目標は1000万円。主な使途は2・8独立宣言記念資料室の全面的なリニューアル、公開セミナーおよび国際シンポジウムの実施、関連映像の制作など。
資料室は現在の10階から2階の会議室に移し、見学に訪れる来館者の便宜を図る。現在開催中の「公開セミナー」は来年2月に東京と大阪で開催するシンポと合わせ『論集』として発刊していく。映像資料としては90周年記念映画『2・8独立宣言』(09年完成)のダイジェスト版(約10分程度)を新たに制作する。また、「2・8宣言」の名場面をイラストで作成していく。
振込先は郵便振替00190‐4‐539049 在日本韓国YMCA。通信欄に「100周年募金」と明記のこと。このほか、三菱東京UFJ銀行神田支店(普通4707550 YMCAアジアセイショウネンセンター)でも受け付け中。
(2018.09.12 民団新聞)