掲載日 : [2019-11-15] 照会数 : 5951
河正雄氏に北杜市「市民栄誉賞」…外国籍は初受賞
[ 渡辺市長から表彰を受ける河正雄氏(左) ]
【山梨】在日同胞2世実業家で現代美術品の収集家としても知られる河正雄さん(80、埼玉県川口市)が北杜市から外国籍としては初の「市民栄誉賞」を受賞した。授賞式は1日、市内の八ヶ岳やまびこホールで開かれた市制施行15周年記念式典席上で行われた。
河さんは、日本の植民地時代の韓国で緑化や白磁の価値創出に努めた浅川伯教・巧兄弟と、アメリカ人宣教師で「清里開拓の父」と称されたポール・ラッシュ博士の「国境を越えた人間愛」に感銘を受けた。北杜市内に別荘を建て、2006年から毎年6月、私塾「清里銀河塾」を市内外で開き、同塾長としてその生き方を広めている。受講生は日本だけでなく韓国、中国、べトナム、インドネシアなどさまざまな国籍におよび、その数は1300人を超えるという。
渡辺英子市長は「本市の生涯教育の向上、次世代を担う子供たちへ歴史文化を継承」し「本市の名声を上げた」と称えた。また、浅川巧ゆかりの京畿道抱川市やソウル市との国際交流の推進にあたっても「その功績は多大なものがあった」と評価した。
河さんはこれまでに光州市、ソウル市、全羅北道、釜山市から名誉市民章(証)を贈られているが、日本の行政機関からの「市民栄誉賞」はこれが初めて。河さんは「韓日関係が厳しい状態に置かれたなかでの受賞には感慨深いものがある。私個人よりも在日同胞、そして韓国への栄誉だと思う」と喜びを語った。
(2019.11.15 民団新聞)