

釜山広域市と横浜市は2026年、パートナー都市提携20周年を迎えた。これを記念し、在釜山日本国総領事館首席領事・在済州日本国総領事館総領事などを歴任した鈴木光男・千香枝夫妻のコレクションを紹介。夫妻は約20年にわたり韓国に滞在し、韓国の手芸品と木工品の「用の美」の魅力にひかれ、コレクションを収集した。今回、主要な約370点を日本で初めて一堂に公開する。
鈴木光男氏は、79年からソウル、釜山、済州に通算20年弱在勤し、その間、韓国の歴史文化に関心を持ち研究を続け、釜山の東亜大学校大学院で修士号を取得。
千香枝氏は、韓国在住を契機に伝統手工芸のメドゥプとポジャギを習得し、制作、研究を継続。また、民芸に関心を持ち、朝鮮時代の木工品、パッタウィチョイゲを研究中。14年に韓国の公募展で大賞(文化財庁長賞)を受賞した色彩豊かな「幾何学文様チョガッポ」「セクトン チョガッポ」や、繊細な結び飾りの「ノリゲ」など、卓越した手仕事の極致を知ることが出来る。
同展は24年に開催された仁川広域市との企画展「思い出のチマ・チョゴリ」に続き、手仕事の品々を通して東アジアの豊かな文化交流の歴史とつながりを感じられる構成となっている。
朝鮮王朝時代、中・上流階層の女性たちは、屋敷のアンバンという女性中心の生活空間で、ポジャギ(包み布)やチュモニ(袋物)など様々な手芸品を作り、家門の繁栄や家族の幸福を願う吉祥文や意匠を縫い込んだ。そこには、様々な工夫と生活の中の美意識が表現されている。
近代に至り、女性教育の普及とともに、手仕事の技法が一般庶民にも広がる。新しい国の基盤作りに揺れ動き、韓国戦争による国土の荒廃を経て、1960年代以降に伝統文化が再評価される。手仕事の営みは家庭の「手芸品」から韓国の伝統文化を伝える「手工芸品」という新たな地位を得て、作家による豊かな作品が生み出されている。
鈴木光男氏は「同展が韓日文化交流と相互理解の一助になることを願う」と語った。
同展は横浜ユーラシア文化館で7月5日まで開催。会期中に一部展示替えあり。観覧料:一般800円ほか。主催‥横浜ユーラシア文化館(公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団)、共催:横浜市教育委員会、特別協力:鈴木千香枝鈴木光男、協力:神奈川韓国綜合教育院、十長生の会、後援:駐横浜大韓民国総領事館、在日本大韓民国民団神奈川県地方本部、在日本大韓民国婦人会神奈川県地方本部。
関連企画として連続講座を開催(先着順・有料・定員各回70人・事前申込、受講料:各回1000円、当日限り企画展観覧無料)。第1回:6月7日午後2時~3時半、講師:鈴木光男氏で演題:「手芸から手工芸への道一韓国伝統手工芸の刺繍、ポジャギ、メドゥプ」。第2回:6月21日午後2時~3時半、講師:原田美佳氏((一社)国際芸術文化振興会(JACA)理事・十長生の会理事)、演題:「韓国文化への扉一サランバンとアンバン」、会場:横浜開港資料館講堂(横浜市中区日本大通3番地)。☎045・663・2424