掲載日 : [2017-12-20] 照会数 : 6069
記録映画「抗い」に大賞…林えいだいさんの半生を描く
平和・協同ジャーナリスト基金賞
第23回平和・協同ジャーナリスト基金賞の贈呈式が9日、東京・千代田区の日本記者クラブで行われ、福岡県筑豊を拠点に、旧産炭地の朝鮮人強制労働や戦争などの問題を掘り起こしてきたノンフィクション作家で、9月に亡くなった林えいだいさんの半生を描いたRKB毎日放送のドキュメンタリー映画「抗い 記録作家林えいだい」(西嶋真司監督、配給=グループ現代)が基金賞(大賞)に選ばれた。
映像作品が大賞に選ばれたのは、2003年に第9回基金賞を受賞したグループ現代製作の「ヒバクシャ HIBAKUSHA〜世界の終わりに〜」以来14年ぶりとなった。
西嶋監督は受賞のあいさつで、「日本という国は本当に戦争を教訓に学んでいるのか。誰かが声をあげないと権力の暴走は決して止まらない。えいだいさんは常にこういったことを心配していました。えいだいさんを見る度に本当にジャーナリストの真髄を見る思いがしました。そうしたえいだいさんの生き方に触れながら、その声をひとりでも多くの人に知ってほしいというのが、この映画を作った動機でした」と述べた。
平和・協同ジャーナリスト基金賞は、反核、平和、連帯、人権擁護などを推進するための報道に寄与したジャーナリストを顕彰するために、市民からの寄付によって1995年に設立された。
基金賞の他、奨励賞6点、審査委員賞1点が選ばれた。
(2017.12.20 民団新聞)