掲載日 : [2020-04-11] 照会数 : 7349
実録映画「さらばわが愛、北朝鮮」5月公開へ
[ 映画の中から©822Films+Cinema Dal ]
金日成個人崇拝を批判し留学先のソ連に分散亡命
北韓の若きエリート8人を追跡取材
1950年代、金日成の個人崇拝を批判したために留学先の全ソ国立映画大学(モスクワ)を追われソ連(当時)に亡命した北韓出身の若きエリートたち8人の数奇な生涯をたどったドキュメンタリー映画「さらばわが愛、北朝鮮」(キム・ソヨン監督作品)が5月2日から東京・新宿の「k,s cinema」を皮切りに特別限定ロードショー公開される。15日まで連日午前10時から1回上映。
行き場を失った8人はモスクワから40~50㌔離れたモニノの森でテントを張り亡命を申請、2カ月後に受け入れられた。ただし、北韓との外交関係を考慮したソ連政府は無国籍者の一時居住証を発行し、ソ連全域に分散移住させた。
彼らは全員、国費留学生。北韓に帰国後は要職を約束されていたであろう。なぜ、祖国を捨てる決断を下したのか。キム監督はその答えを求めて制作に着手したという。ただし、半世紀以上前のできごとだけに、インタビューできたのは撮影時に生きていた2人と妻だけだった。
キム監督は「これはユーラシア大陸をめぐる大きな敗北と小さな勝利についての壮大な物語である。南北朝鮮分断と再統合についての考察を迫るであろう」と記している。
東京以外では大阪のシネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館、名古屋シネマスコーレ、兵庫県の元町映画館で近日公開が予定されている。
(2020.04.10 民団新聞)