掲載日 : [2020-07-29] 照会数 : 6114
祖国への愛 詩情豊かに 在日1世 全和凰氏の作品展
[ 出品作の「望郷」 ]
在日1世の画家、「全和凰展」~第2回京都王藝際美術館所蔵作品展~が8月16日まで、京都王藝際美術館(中京区)で開催されている。
全氏(1909~96年)は平安南道安州生まれ。26歳の時、宗教家、西田天香の影響を受け出家、托鉢行脚の修行の後、1939年京都の一燈園に入園。そこで出会った洋画家、須田国太郎との出会いにより、日本での画家としてのスタートを切る。
全氏作品に一貫する制作モチーフは、祖国への愛と望郷の念に貫かれている。全氏の作品コレクターとしても知られる河正雄さんによれば、「観念主義でも政治主義でもない。精神的な詩情を漂わせた本質的に自由人の魂を強く印象させる表現主義」の作品という。
これまでの主な題材は、信仰をテーマにした作品(仏、菩薩、寺院、祈る女性)、韓国の伝統衣装の人物、民家、風景、花、家族(妻と子ども)など。
個展は、同館所蔵79点のうち、49点を展示している。11~18時開館。毎週月・火曜日、24日。無料。
問い合わせは同館(075・802・5350)。
(2020.07.29 民団新聞)