掲載日 : [2019-01-30] 照会数 : 8178
圧政下での愛と葛藤…映画「金子文子と朴烈」主要キャストに在日起用
[ 映画「金子文子と朴烈」のポスター ]
2月16日公開へ
関東大震災の混乱のさなか朝鮮人虐殺の歴史を隠蔽しようとした日本政府の圧力に屈服せず、最後まで「アナーキスト」としての信念を貫いた独立運動家、朴烈とその日本人妻金子文子の愛と葛藤を描いた映画「金子文子と朴烈」(李濬謚監督)が日本でも公開される。韓国では2017年、235万人を動員する大ヒットを記録した。
金子文子は朴烈の「犬ころ」という詩に心を奪われ、同志・恋人として共に生きる決意を固める。2人が結社「不逞社」を結成して間もなく関東大震災が発生。朴烈は「不逞鮮人」の象徴として金子文子ともども逮捕され、「大逆罪」の濡れ衣で裁判を受けることに。朴烈は自ら死刑を望んだ金子文子との愛に殉じることを決意した。
朴烈は自ら要求して金子文子ともども韓服の礼装で法廷に立ち、死刑の判決も甘んじて受ける。その後、2人は特赦で無期懲役に減刑。金子文子はこの判決を受け入れず自死を選ぶが、朴烈は解放の年まで獄中生活を続け、民団中央本部の初代団長に就任した。
映画のもう一つの見どころは重要な役で存在感を示した在日同胞俳優の存在。関東大震災時の朝鮮人虐殺を引き起こした水野錬太郎大臣役を誰よりも邪悪で狡猾に演じたのは在日3世の金仁友だ。裁判で死刑の判決を下した牧野菊之助裁判長に劇団「新宿梁山泊」を主宰する金守珍、内田康哉外務大臣は趙博が演じた。
全国に先駆けて東京は渋谷のシアター・イメージフォーラム、大阪はシネマート心斎橋でそれぞれ2月16日から公開される。
(2019.01.30 民団新聞)