掲載日 : [2019-10-25] 照会数 : 6370
趙善玉の「飲食知味方の世界」サンファポ
具材に野菜や小豆
今回は「サンファポ」です。小麦粉にマッコリのようなお酒を加え、発酵させた生地に具材を入れて蒸した物です。お酒を加えて蒸す韓国餅に「チュンピョン」がありますが、具材は入りません。韓国には「チンパン」という、お饅頭のようなものがそれに似ています。
チンパンというと昔、この時期に多くの人が実家の畑に集まって、農作物の収穫を手伝ってくれました。母は毎日チンパンをたくさん作り、おやつとして差し入れで持って行きました。小さかった私はいつも母について行き、おやつの時間が来るのを待って、チンパンを分けてもらいました。それが当時の私の楽しみだったのです。
サンファポの具材は千切りにした野菜や小豆だったりします。『飲食知味方』には、夏に小豆を煮たものをそのまま使うとすぐに痛むが、小豆を良く煮て、炒り、コムルという粉状にしてからハチミツで練って使うと、少し日持ちすると書いてありました。食材を長持ちさせるために素材の特徴を知り、長年培ってきた経験と知恵によって生まれた料理の1つです。
◇材料(4人分)
小麦粉200g、マッコリ120g、砂糖大さじ1、水50g、塩小さじ1/4
<あん>小豆粉50g、ハチミツ大さじ3、塩少し
◇つくり方
1.小麦粉はふるいにかけて温めたマッコリを入れて練り、寝かせておく。
2.小豆は水に浸して、鍋に水を5倍くらい(分量外)入れて煮る。煮えたら、つぶしてあみでこす。
3.②をフライパンで水分を飛ばしながら炒めて粉を作り、ハチミツと塩を加えて練ってあんを作る。
4.発酵した①の生地を30gずつ分けて丸め中央に穴を作り③のあんを入れて丸めて蒸し器に入れる。
5.蒸気が上がった鍋に蒸し器をのせて火を消して5分程度温めてから、強火で15分ぐらい蒸す。
(2019.10.24 民団新聞)