掲載日 : [2020-03-11] 照会数 : 5987
趙善玉の「飲食知味方の世界」チュンベギ
掲げ蜂蜜菓子
今回で「飲食知味方」のコラムは終わります。
最後の料理は、朝鮮時代にも人気だった油密菓(ユミルグァ)の一種「チュンベギ」です。油密菓とは、小麦粉や米粉をこね、油で揚げて蜜をつけたものを指します。
『飲食知味方』には「チュンベギ」の材料は粉一斗、蜂蜜一升、油一合と書かれています。一斗とは一升(1・8〓)が10本分なので、大量に作っていたのですね。
ところで、本書の表紙には「閨壼是議方(キュゴンシウバン)」と書かれています。朝鮮時代、両班の女性が表立つことはなかったので、夫である石渓李時明が料理本であることが分からないように別名をつけました。
女性が学問をする自由や社会的地位がない時代に著者の張桂香先生は、老人や生活困窮者などを誰にも知られることなく助けました。人格者であり、献身的な姿勢を兼ね備えた先生は自らの意志で、自身の出来る限りの役割を果たしました。
今を生きる私は、張先生から「どこまでやれるの」と問いかけられているように感じます。カムサハムニダ。
◇材料(4人分)
小麦粉245g、塩少々、蜂蜜120g、ゴマ油7g、お湯42g、サラダ油適量
◇つくり方
①小麦粉を薄く色がつくまで炒め、塩を少し加えてよく混ぜてふるいにかける。
②①1の粉に蜂蜜、ゴマ油、お湯を入れてよく練る。
③②の生地をまとめ、平らにのばし4cm×3cm×0.3cmの大きさに切る。
④③3の生地に穴を5カ所つけ、油をひいたフライパンで焼く。
※お知らせ 趙善玉さんの「飲食知味方」は今回で終わります。
(2020.03.11 民団新聞)