掲載日 : [2019-11-15] 照会数 : 5778
趙善玉の「飲食知味方の世界」ケランタンポッ
卵、貴重な薬代わり
今回は、「ケランタンポッ」という、お湯の中に卵を入れて作るポーチドエッグです。皆さんの中には、急な寒さで風邪をひいて、滋養のあるものを食べたいと思う方がいるかもしれません。卵は免疫力を高めるたんぱく質が豊富で、栄養価も高いことから朝鮮時代は薬の代わりとして食べられていました。
私はこの料理を作る時、『飲食知味方』の著者である張桂香先生のある言葉を思い浮かべます。日頃、子どもたちに「座る時も立っている時もそして寝る時も姿勢を正し、食事も適当に作った物は食べてはいけない。悪い言葉を口に出したり、聞いたりしないように。そして、特に夜は良い詩を読んだり、話すことが良い」と話しています。この言葉は張先生自身が親から教わったそうで、私も母から似たような事を言われて育ちました。
「食べ物は薬である」という医食同源の思想が昔から深く根付いている韓国人だからこその、ありがたい言葉ですね。鍋の中の卵が白くふんわりしてくると、優しかった母を思い出します。心も体も温かくなる料理です。
◇材料(4人分)
卵4個、水5カップ、あみの塩辛大さじ1/2、ゴマ油小さじ1、酢小さじ1
◇つくり方
1.鍋に水3カップを入れ、あみの塩辛とゴマ油を入れて沸かす。
2.①が沸いたら卵を割って入れて蓋を閉じる。
3.卵の白身が少し固まり幕ができたら取り出して器に盛り、汁も注ぎ入れ酢をかけて出す。
(2019.11.15 民団新聞)