在日本大韓体育会関西本部(嚴将守会長)は6月3日、大阪市中央区のホテルで定期総会を開き、関西地域次世代アスリートの発掘や各種スポーツイベントの開催などを中心とした新年度活動方針を決めた。
昨年新会長に就任した嚴厳将守会長はこの間、関西に事務局を置く各競技団体長と協力体制を強化して、各種イベントを開催した。
嚴会長は「会長就任1年目は皆さんの協力とアドバイスにおかげで卓球大会やボウリング大会などのスポーツイベント開催にこぎ着けた。今年度はさらに拡大し、関西同胞の連帯と優秀選手発掘に努めたい」としながら、「組織には人、物、金が不可欠と言われますが、何よりもメンバーのみんなが楽しくやっていくことが大切。これからもメンバーが心を一つにし、体育会を盛り上げていこう」と呼びかけた。
総会には理事と顧問をはじめ、関西に事務局を置く柔道、テコンドー、ゴルフなどの競技団体会長、体育会中央、民団大阪本部と京都本部、在日韓国商工会議所などから35人が参席した。
体育会中央の宋栄奉会長(代読)は「1964年東京五輪で在日2世の金義泰選手が韓国初の柔道五輪メダリストとなったことを皮切りに、72年ミュンヘンで呉勝立が銀、76年のモントリオールで朴英哲が銅、2021年の東京で安昌林が銅メダルを獲得したが、すべて関西から輩出したアスリートだ。このように1961年の創立以来、優秀選手を発掘してきた関西本部はまさに、在日アスリートの宝庫でもある。今後も次世代アスリートの発掘と育成をお願いしたい」と激励した。
民団大阪本部の金明弘団長は「孫基禎選手はベルリン五輪でアジア人初となるマラソンで優勝したが、日章旗を背負った金メダリストで、国を持たない悲しさを象徴した出来事だった」と歴史を振り返りながら、「祖国解放後、一日も早く祖国が豊かになり、堂々と太極旗を背にした選手を世界に送りだそうとの在日同胞体育人の思いが韓国の五輪初出場を実現させた。在日本大韓体育会は在日同胞の誇りです。自信を持って後進を育て、スポーツを通じてアジアと世界の平和のために貢献してほしい」とエールを送った。
民団京都の張祥一団長も「ここ関西地区から数多くの韓国国家代表選手を輩出してきたことは素晴らしいこと。これからも次代を担う選手たちの育成と発掘を期待している」と期待を込めながら、5月25日に民団京都が開催した「同胞交流和合ハンマダン・運動会」についてふれ、「幼児からお年寄りが一つになって快い汗を流し、声援を送りあうなど活気あふれる時間となった。今後、体育関西本部ともスクラムを組んでさらに盛り上げていこう」と呼びかけた。
嚴会長は今年度の事業計画として、関西に事務局を置くゴルフ協会や柔道会、テコンドー協会、水泳連盟などと連携して、優秀選手発掘や子どもが集まるボウリングや卓球大会を展開していくことを強調した。
総会の冒頭、体育会中央が制作した体育会70年の歩みを紹介したドキュメンタリー映像が上映された。
鑑賞した参加者は「祖国光復後、韓国スポーツの発展に在日体育人がいかに貢献してきたかを初めて知った」、「韓国代表選手を数多く輩出し、在日同胞の存在と志気を韓国と世界に示してきた在日体育会の精神をしっかり継承していくべき」との声や、「感動と勇気をもらえるスポーツは素晴らしい」と感想を述べていた。