韓国人初で、アジア女性初のノーベル文学賞を受賞した小説家の韓江氏が7日(現地時間)、スウェーデンのストックホルムで自身の作品世界を説明する講演を行った。
「光と糸」と題したノーベル文学賞受賞記念講演で、韓江氏は1979年に書いた8編の詩をまとめてた冊子から、 'ベジタリアン'、'風が吹く、行け'、'ヘラブ語の時間'、'少年が来る'、'別れを告げない'などに言及し、執筆当時、何を考え、何を感じたかを語った。
韓江氏は「少年が来る」を書いたきっかけについて、12歳の時に目にした「光州写真集」から深い衝撃を受け、それが人間の暴力性に対する疑問につながったと説明した。
また「世界はなぜ暴力的で苦痛なのか、同時に世界はなぜ美しいのか」という質問が長い間、彼の文章を導いてきた力だったと明らかにした。
その上で、「最初の小説から最近の作品まで振り返ってみると、私のすべての質問の根底は、愛に向けられていたのではないか? それこそ私の人生を貫く最も古くて根本的な響きではないだろうか」と自問した。
さらに「言語が私たちをつなぐ糸であることを、生命の光と電流が流れるその糸に私の質問が接続されているという事実を 実感する瞬間に、その糸に繋がってくれて、繋がってくれるすべての方々に心からの感謝を申し上げる」という言葉で講演を締めくくった。
漢江氏は10日午後4時(現地時間)、スウェーデン・ストックホルムで開かれる2024ノーベル賞授賞式でノーベル文学賞を受賞する。