日韓親善協会中央会(河村建夫会長)は1月29日、都内のホテルで日韓国交正常化60周年2025年新年賀詞交換会を開いた。韓日の関係者約110人が出席し、昨年12月29日に韓国の務安空港で発生した航空機事故の犠牲者179人の冥福を祈り参加者全員が黙とうした。
河村会長は「今年は日韓国交正常化60周年の年。日韓親善協会は日韓関係を良くするため設立し、全国津々浦々で草の根の親善活動を続けてきた。尹錫悦大統領就任以降、日韓関係の改善が両国の国益につながるとの認識のもと、岸田文雄総理との間で12回の首脳会談が開かれた。日韓協としてこの流れを止めず、さらに高めていく」と述べた。さらに「大阪・関西万博に合わせ、5月12日に大阪で年次総会と日韓友好親善の集いを開く。500人以上が参加した愛知万博よりも集めたい」と参加を呼びかけた。
韓日親善協会中央会の沈允肇理事長は「韓国の政局が揺れているが、これはさらに成熟した民主主義に発展する過程だ。もっと大きな視野で国の将来を考えている。昨年は1200万人の両国民が韓日を往来した。60年前は1万人だった。この大きな流れは政治状況とは関係なく進む。両国民の草の根交流が国交正常化60周年成功の鍵だ」と期待を込めた。
日韓議員連盟の大西健介運営委員長(立憲民主党)は「1月17日にソウルで韓国の与野国会議員に会ってきた。近年にない良好な日韓関係を土台に、両国関係の重要性は大事だとの共通認識がある。日韓協が実施している若者交流の後押しと日韓の共通課題である少子高齢化等、政治的合意ができる年にしたい」と述べた。
自民党の平沢勝栄衆議院議員、日本維新の会の金村龍邦衆議院議員の祝辞の後、駐日韓国大使館の朴喆熙大使は「政治状況に振り回されず、揺らぐことのない、後ずさりしない韓日関係に尽くす。関係改善の実益を両国民が感じられるように青少年交流拡大に努力する」と強調した。
日本外務省アジア大洋州局の大河内昭博審議官は、国交正常化60周年のロゴマークに両国の国花、桜と木槿のデザインとキャッチフレーズの「両手を携え、よりよい未来へ」のアイデアは学生の知恵を集めたものだと紹介した。民団中央本部の金利中団長は「良好な韓日関係を崩さないために、民団としても一市民としても草の根交流に全力を尽くす」と述べた。
民団中央本部の呉公太常任顧問(日韓協名誉顧問)の乾杯で韓日交流の団らんが始まった。
中央会が毎年推進している両国青少年交流に参加し、昨年7月から8月にかけて韓国青少年訪日団を迎えた在日4世の高校生、金理雅さんが登壇。山梨県北杜市の浅川伯教・巧兄弟資料館の訪問や県立北稜高校生との交流、郷土料理のほうとうづくり、新倉山浅間公園で日韓青少年国際交流記念植樹等をスライドで紹介し「とても有意義な時間だった」と感想を述べた。