在日韓国科学技術者協会(科技協、洪政國会長)の主催する「第16回合同分科会」が8日、「科学技術と韓日協力の発展のために」をテーマに東京港区の韓国中央会館で開かれ、研究発表者68人を含め約110人が参加した。
午前はノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章・東京大学卓越教授が「基礎研究の展望と日韓協力‐私の経験から‐」と題して招待講演を行った。梶田教授は韓国人研究者との実際の共同研究歴を紹介しながら、「多くの基礎科学研究は国際協力の形で行われているが、それによって世界の平和的発展にも貢献できる。日韓の研究者の協力は特別に大切なもので、更に発展することを期待している」と強調した。講演後には専門内容や科学者の姿勢など参加者との真摯な質疑応答が行われた。 午後は建築、金属材料、有機電子材料など12の研究分科から68人が二つのグループに分かれてポスター発表をした。また、金有洙・東京大学院工学系研究科特任教授など5人のパネリストにより「博士取得後の研究者キャリアを高める」というテーマで討論会が行われ、参加者とも活発な質疑応答があった。
最後に投票によるポスター発表評価の結果が公表され、優秀賞に15人、最優秀賞に2人(金庚民・大阪大博士課程、南泫旭・東京理科大ポスドク)が選ばれ、賞状と研究奨励金が授与された。
科技協の研究分科会は日本国内の大学院や研究機関で博士をめざす留学生などの大学院生や博士号を取得した若手研究者を対象とした全国規模の研究交流会。合同分科会は年1回開かれ、専門分野の横断的な研究交流を通じて親睦を深め、専門的ネットワークの拡大と研究者としての資質向上を図る。2010年以来、今年まで943人がポスター発表を行った。