民団地方本部の定期大会、委員会、総会が15日の埼玉本部を皮切りに23日の愛知本部まで全国各地で開かれた。任期満了に伴う役員改選や再選で、光復80周年、韓日国交正常化60周年の節目に同胞社会の大統合等を柱にした新年度方針を遂行する。傘下団体の学生会が中央大会、婦人会が中央委員会を開き、同胞社会をけん引する民団組織が2025年の実質スタートを切った。
【東京】民団東京本部(李壽源団長)の第53回定期地方大会が22日、韓国中央会館で開かれ、地方委員・代議員376人中313人が出席した。任期満了に伴う役員改選では、団長に単独候補の呉永錫氏(直選委員)を選出した。議長には朴昭男氏(前監察委員長)が対立候補の安容範氏(前議長)を選挙戦で破り当選した。監察委員長には張界満氏(新宿支部前副団長)が南圭吉氏(副議長)を下して初当選した。
副団長には朴康一氏(練馬支部支団長)と申大永氏(前監察委員)を決め、残りの人事は団長に一任、副議長と監察委員もそれぞれ議長、監察委員長に一任、後日発表するとした。事務局長には鄭浩上氏が再任された。
新年度方針では在日同胞大統合の推進や支部の基盤強化、日韓親善協会、日韓議員連盟の活動に参与等を決めた。
第65回定期地方委員会では、2024在日同胞リーダーフォーラム(幹部研修会)やアジアへの侵略を正当化する歴史教科書の不採択尽力等を成果的に報告した。
【千葉】民団千葉本部(高炳佑団長)の第45回定期地方大会が22日、本部会館で開かれた。任期満了に伴う役員改選では、三機関長とも立候補がなく、選考委員会で団長に崔博之氏(前監察委員)、議長に申鐘聲氏(再)、監察委員長に金國経氏(再)が選出された。新年度方針では同胞の生活と権益守護、ヘイトスピーチ・クライム根絶等を決めた。
第64回定期地方委員会では、関東大震災被殺同胞追念式を震災100年を契機に県本部主催で開催するようになったことが報告された。
【埼玉】民団埼玉本部(崔洛文団長)の第44回定期地方大会が15日、本部会館で開かれ、任期満了に伴う役員改選で団長に白守義氏(前議長)、議長に韓悦功氏(前副団長)、監察委員長に金英行氏(前監察委員)の各氏を無投票で決めた。
白団長は「団員あっての民団。同胞と心と心のふれあいを大切にしていきたい」と決意を述べた。在日同胞社会大統合の一環として、新定住者を中心とした年2回のセミナー実施等を決めた。
大会に先立ち開かれた第78回定期地方委員会では、オリニ歴史探訪でソウルの戦争記念館や陶磁器の産地・利川の訪問等を報告したほか、定数改正で地方委員会の定数を41人から25人に、地方大会の定数を51人から31人に改定した。
【長野】民団長野本部(金龍洙文団長)の第44回定期地方大会が16日、本部会館で開かれた。役員改選では、いずれも単一候補で団長に鄭研吉氏(前監察委員長)、議長は高昌星議長の再選、監察委員長に金秀男氏(前副団長)が就任した。
鄭団長は「団員、新定住者、帰化同胞の掘り起しを進め、同胞の皆さんが誇ることができる民団を作りたい」と抱負を述べた。駐新潟韓国総領事館の呉榮煥総領事は「長野本部が全国でも有数な本部になったのは偶然ではない。内外情勢は厳しいが、韓日国交正常化60周年事業をはじめ前執行部同様に引き続き頑張ることを期待する」と激励した。
新年度は在日同胞社会の和合と活性化、韓日親善交流と次世代育成事業を主な方針に決めた。
大会前の第79回定期地方委員会では、長野韓国教育院の会館内移転により韓国語のみならず韓国文化の普及に繋がったことを評価した。
【広島】民団広島本部(金基成団長)の第37回定期地方大会が16日、本部会館で開かれた。役員改選ではいずれも立候補者がなく、金基成団長、成龍植議長、金昌年監察委員長が再選された。
金団長は「次世代のために1期目にできなかったことを2期目に実行していきたい」と決意した。駐広島韓国総領事館の姜鎬曾総領事が激励辞を述べた。
第66回定期地方委員会では、恒例の韓日友好交流フラワーフェスティバルや韓国人原爆犠牲者慰霊祭、次世代平和学習会等を成果的に報告。新年度は組織基盤強化、同胞の生活と権益守護、韓日友好親善等を主な方針に決めた。
【福岡】民団福岡本部(李鍾出団長)の第52回定期地方大会が22日、本部会館で開かれた。任期満了に伴う役員改選では、団長候補に現職の李鍾出団長と金高明常任顧問の二人が出馬し、投票の結果、李団長が再選を果たした。議長と監察委員長は単独候補で、議長に姜昌求氏(再)、監察委員長に權文善氏(前副団長)が選出された。
新年度方針では「生活相談センター」の充実で改定入管法のガイドライン策定で永住資格同胞に不利益にならないよう注視すること等を決めた。
第71回定期地方委員会では、支部巡回会議の継続開催や青年会OB世代に対する取り組みとして「在日新世代大交流会」の開催等が評価された。
【愛知】民団愛知本部(河隆實団長)の第43回定期地方大会が23日、愛知韓国人会館で地方委員・代議員165人中110人が参加して開かれた。来賓に民団中央本部の金利中団長はじめ鄭文吉事務総長、駐名古屋韓国総領事館の金星秀総領事ほか、各顧問ら多数が参席した。
任期満了に伴う役員改選では、三機関長の単独候補により、団長に李豊宏氏(前副団長)、議長に蔡駿二氏(再)、監察委員長に成功氏(前副団長)が選出された。副団長は金栄官氏(豊橋支部)、張桂江氏(前監察委員)、〓貞嬉氏(東中支部)、趙鐵男氏(前事務局長)、事務局長は丁光栄氏(前総務部長)。副議長は張盛之氏(再)、林昌元氏(岡崎支部)。監察委員は金尚弘氏(再)。
中央本部の金団長は「民団は皆さんの力添えがあって、韓日関係を維持していくことが大事。日本に住む在日が一つになり大統合して日本社会で盛り上げていきたい。また、4月13日の関西万博のコリアンデーには多くの参加をお願いしたい」と呼びかけた。
金総領事は「解放80周年、国交正常化60周年という節目の年、領事館としても両国の相互理解が深まるよう活動を展開することで、未来志向的な韓日関係の発展に努力していく。皆さんも懸け橋的役割を果たして下さい」と期待を込めた。
席上、組織活動や団費納入で優秀な成果を上げた瀬戸、新西、豊川の3支部に河団長から表彰状が贈られたほか、愛知県下13支部に特別賛助金がそれぞれ手渡された。
【熊本】民団熊本本部(鄭永眞団長)の第9回定期地方総会が16日、本部会館で開かれた。役員改選ではいずれも立候補者がなく、選考委員会で団長に蔡鎭淑団長、金勇議長、鄭昌基監察委員長を推薦、承認された。
新年度は組織力量強化、団員世帯家庭訪問、韓日交流事業等を実施していく。
【徳島】民団徳島本部(姜盛文団長)の第11回定期地方総会が16日、本部会館で開かれた。役員改選ではいずれも立候補者がなく、姜盛文団長、李正順議長、金性佶監察委員長の現体制をもう一年延長することで承認された。
姜団長は「同胞が300人という超過疎の徳島では日本人とともに韓日友好親善を強固にすることが団員の生活を守ることに繋がる。協力を」と呼びかけた。
【福島】民団福島本部(金信鍾団長)の第8回定期地方総会が14日、本部会館で開かれた。報告では地域住民との韓日交流会、生活困難者訪問活動、いわき地区・生源寺の同胞慰霊供養等を成果的に報告した。
25年度活動方針は、自然災害時の被災者支援、生活相談センターふくしまの活用等を決めた。
【佐賀】民団佐賀本部(朴弘正団長)の第7回定期地方総会が16日、本部会館で開かれた。朴団長は「同胞過疎地域だが、16の事業を行ってきた。団員の皆さんのおかげだ。今年も継続する。ご協力を」と挨拶した。活動報告では、佐賀大学の学生との連携でふれあい交流マダンに580人を動員し、地域イベントとして定着させたことや地域住民を交えた韓国料理教室、歴史セミナー等で民団を地域に印象づけたことを評価した。
25年度活動方針は、礼儀・礼節会話スクール等、民族教育・オリニ交流事業に尽力することを主な活動として採択した。
【山梨】民団山梨本部(李正団長)の第31回定期地方総会が22日、本部会館で開かれた。25年度活動方針は、在日同胞大統合の推進と同胞の生活と権益守護等を決めた。報告では貴金属協会とともに10年ぶりに開催した韓日親善運動会や韓日親善交流サッカー大会等、韓日友好・共生に尽くしたことを成果的に評価した。
5本部で地方委員会
【栃木】民団栃木本部(禹春彦団長)の第75回定期地方委員会が14日、本部会館で開かれた。延べ3000人を集めた8月のとちぎ韓流フェスティバルや12月のとちぎ韓日オリニ交流会等、地域住民との交流・親睦事業を成果的に報告した。
25年度活動方針は中央方針に準拠し、在日同胞大統合や人権擁護活動推進等を決めた。
【大阪】民団大阪本部(金明弘団長)の第72回定期地方委員会が22日、大阪韓国人会館で地方委員142人中100人が参加して開かれた。金団長は「今年は祖国が解放して80周年、韓日国交正常化60周年、私たち三機関が出帆して1年目の節目の年。次世代育成や財政の問題など、皆さんの期待に添えたものかどうか、今日はその通知表をもらうような思いだ。1年の総括、これからの活動方針等皆さんに審議をしていただき、透明性が高く皆さんから信頼してもらうという基本姿勢にのっとって尽力し、在日同胞の発展にともに力を合わせていこう」と呼びかけた。
今年度活動方針は、団員同胞家庭訪問の強化と名簿の拡充、民団近畿合同のブライダルパーティの開催、韓日国交正常化60周年及び大阪・関西万博開催記念行事として10月に韓日両国の歌手によるコンサート(約3000人規模)の開催等が承認された。
直選委員2人、顧問2人、執行委員1人が補選されたほか、副議長に李哲伸氏(布施支部)を拍手で承認した。
【西東京】民団西東京本部(崔貫一団長)の第73回定期地方委員会が22日、本部会館で開かれた。24年度報告ではオリニ林間学校開催を評価し、25年度活動方針は組織基盤強化、次世代育成、韓日友好親善促進、韓半島の平和統一に寄与等を決めた。
【岐阜】民団岐阜本部(金尚道団長)の第81回定期地方委員会が22日、本部会館で開かれた。24年度報告ではK‐POPダンスフェスティバルや東海三県の民団等が集まる同胞社会交流会、韓国歴史探訪研修会等を評価した。
25年度活動方針はヘイトスピーチ対策のための講演会開催、留学生を含めた青年層の活性化事業等を決めた。
【三重】民団三重本部(洪光子団長)の第67回定期地方委員会が22日、本部会館で開かれた。
24年度報告では留学生への支援や三重K‐POPダンスフェスティバル、紀州鉱山追悼集会等を成果的に報告した。25年度活動方針は各種研修・セミナー実施や生活相談センターの充実化等を進めていく。