



9月15日の「敬老の日」を前後して、全国各地で民団本部、支部のほか、在日の団体が主催する敬老行事が開かれた。75歳以上の高齢同胞へのプレゼントのほか、韓国料理を味わいながら、韓国の歌、舞踊、カラオケなどに興じ同胞との再会を喜ぶ会合が主流だった。一方、同胞宅の戸別訪問で近況を伺い、お米を届けるなど、多種多様な敬老事業で同胞高齢者の長寿を祝った。
韓国料理と歌でお祝い
民団三重本部(洪光子団長)は9月15日、四日市市内のホテルで敬老祝賀会を開催し、団員ら70人が参加した。洪団長は「長い人生の中で、喜びや悲しみを乗り越え、今日の敬老の日を迎えたことをうれしく思う。今日は皆さんが主人公。楽しい時間をすごして下さい」と激励した。
席上、最高齢の諸葛成洙同本部顧問(88)に、尹栄子婦人会三重本部会長から記念品が贈られた。テーブルには会席のほか、婦人会が準備したキムチや韓国もちが振る舞われ、ハラボジ、ハルモニたちは美味しそうに頬張りながら、昔話に花を咲かせていた。
崔玉姫さんの歌謡ショーでは、アリランやセタリョンなど韓国民謡で盛り上がり、最後は、婦人会とともに「故郷の春」や「ふるさと」などを合唱した。
カラオケを楽しむ
民団東京葛飾支部(李光鍾支団長)は9月14日、恒例の敬老会を支部会館で開催した。支部役員のほか65歳以上の高齢団員が24人参加した。同胞との再会を喜ぶ食事会の後はカラオケを楽しんだり、お祝いの記念品を渡す有意義な一日を過ごした。
民団神奈川横浜支部(朴昌泳支団長)は9月14日、横浜市内で敬老会を開催し、約70人の参加者が和やかで楽しい時間を過ごした。李富鉄団長のほか、南相圭駐横浜韓国副総領事、朴敏姫神奈川県韓人会会長が出席して挨拶を述べた。
花束と記念品の贈呈が行われ、招待歌手のキソン氏による歌の披露やカラオケ大会など、多彩なプログラムが進行した。参加者は久しぶりに顔を合わせ、互いに近況を語り合いながら親睦を深める貴重なひとときを楽しんだ。
婦人会千葉本部(崔八重子会長)は9月17日、「第48回敬老チャンチ」を千葉市内のホテルで開き、高齢同胞を含め65人が参加した。普段はなかなか会えない先輩や後輩と再会し、韓国の歌や踊りで楽しいひと時を過ごした。
韓国の伝統踊りの公演や各支部の婦人会が準備した出し物で会場を盛り上げた。「元気で来年も会おうね」と参加者が口々に語り、名残惜しい会の幕を閉じた。
食事会で談笑
民団神奈川湘南中部支部(李信行支団長)は9月13日、藤沢市内で敬老会を開催し、75歳以上の高齢者を含む約30人が談笑しながら楽しい時間を過ごした。李支団長は「皆さんの貴重な体験と知恵で支部活動を支えていただいた。これからも後輩への叱咤激励を」と挨拶した。
李富鉄神奈川本部団長のお祝いメッセージを白海秦同本部監察委員長が代読した。本部から閔秀智文教主任も参加した。記念品を贈呈された崔芳任顧問は「民団と婦人会が私たちを祝ってくれて嬉しい。感無量だ」と喜んだ。
老人会東京で敬老チャンチ
社団法人大韓老人会日本東京支部(夫奉秋会長)が主催する「敬老チャンチ」が9月15日、韓国中央会館で開催され、伝統音楽などの記念公演が約3時間繰り広げられ、約90人の参加者を楽しませた。夫会長は「海外同胞としての矜持を持ち、童心に帰って互いに楽しい時間を共有できれば有難い」と述べた。同会日本連合会の崔金粉会長は「在日は素晴らしいと言われるような一人ひとりになることを願う」と語った。
記念公演の第1部では、韓国伝統舞踊の三鼓舞と閑良舞、ソプラノ歌手安ヌリ氏と李勝煕氏のピアノデュオのほか、響彬斗座長が率いる「響ファミリー」の歌舞伎公演が行われた。舞台から降りるパフォーマンスもあり、一体感が生まれた。
第2部ではサムルノリ、小鼓舞などが披露されたほか、トロット歌手の朴美順氏、崔明俊氏、キソン氏がそれぞれ熱唱すると、参加者たちは舞台へと上がり、歌手とともに踊り、会場は大いに沸いた。
閉会の辞で呉文子副会長は「在日の福祉発展のために支援と協力を」と締めくくった。
同胞宅にお米プレゼント
民団鳥取本部(金充基団長)の2025年お米配り敬老事業(団員宅への戸別訪問)が9月17、18日の2回、実施された。毎年恒例になったお米配りを通じて、高齢者の安否確認を伺う民団鳥取本部の必須活動になっている。
両日で15件程の訪問だったが、2軒は体調が悪く、面談できなかった。米も要らないと断られる一方、多くの団員さんから歓迎された。
老人施設へ入っている団員の消息を家族から現況を訊くだけのケースもあれば、「ああ、今年も一年生きてしまった」と張りのある声を上げて迎えてくれる90歳間近のハルモニ。「米価高騰なのにお米が貰えるのは嬉しい」「年金もなく焼き肉店の来客も高齢者が多く少なくなり生活は苦しいが、ボチボチやっている」「身体が思うにならない」と70代半ばのおしゃれなアジュンマなど多様だった。
民団大阪布施支部(李周衡支団長)の同胞長寿祝賀会が9月21日、同支部会館で開かれ、団員ら100人が参加した。
李支団長は「皆さんの健康を祈願するとともに、今日は存分に楽しんで」とエールを送った。民団大阪本部(金明弘団長)の李哲伸副議長は、金団長の祝辞を代読、10月12日に吹田市の大和大学アリーナで開催する「THEマダンフェスティバル」にたくさんの参加を呼びかけた。許槿一同支部常任顧問は「私も皆さんの仲間入り。今日は意義ある楽しい時間を過ごそう」と述べたほか、岩谷良平衆議院議員(日本維新の会)もかけつけ「地域在住の皆さんの役に立つよう、自分の仕事に一層尽力していく」と挨拶した。
テーブルには、チヂミや蒸し豚、ナムル、キムチなどが入った韓国料理の弁当や婦人会が準備した肉スープ、韓国もちが並んだ。
様々な地域で活動している演歌歌手・早浪美加さんが、日本の歌謡曲のほか韓国民謡・セタリョンも歌い上げ、会場を盛り上げた。
青年会がゲーム進行
民団東京足立支部(林致寛支団長)は9月15日、75歳以上の団員ハラボジ、ハルモニを祝賀する敬老祝賀会を支部会館で開き、敬老対象者を含め約80人が参加した。林支団長は「民団の功労者である皆さんを支部会館で一緒にお祝いすることができ嬉しく思う。これからも長生きして下さい」と祝辞を述べた。
食事を囲みながらの懇親会では、青年会メンバーが進行を担当し、ビンゴゲームやカラオケで大いに盛り上がり、笑い声の絶えない賑やかな会となった。