基準不明確、恣意的運用懸念
簡単に永住資格を取り消すことができるとする内容の改定「出入国管理及び難民認定法」(入管法)が成立して2年近くとなる4月20日、韓国中央会館で同法に関するシンポジウム「入管法改定を問う~2027年本格始動へ‥わたしたちの仕事と生活を守るために~」が東京本部と東京韓商の主催で開催された。
管下支部と傘下団体の幹部ら200人近くが参加、関心の大きさを伺わせた。呉永錫東京本部団長は「在日同胞の生活に影響を与える可能性がある」としたうえで、「内容と課題を正確に把握してほしい」と訴えた。日韓議員連盟の武田良太会長が特別講演を、河村建夫日韓親善協会会長が挨拶をした。
出入国在留管理庁(入管庁)の担当者は、改定法施行に向けたガイドラインを現在策定中で、今秋には確定し来年4月1日からの施行を目指していると概要を説明。また「外国人は今後も受け入れていく」ことを前提に、悪質な例は「取り除いていく」と基本的な考えを示した。一例として、永住者の中には永住許可を受けるまでは税金や保険料を支払うが、永住資格を得た途端、「故意に支払いをしない」ケースがあると、改定法の必要性を強調する。
パネルディスカッションでは、パネラー(張界満弁護士、崔聖植行政書士、入管OBの植田敏博氏)から「永住資格を取り消すのではなく、刑事罰を科すなど日本人と同様な扱いをすることが原則」「入管庁が〝自由裁量権〟の乱用を行わないよう」「取り消しには明確な基準が必要」などの意見が出された。会場からは、入管側に対し「恣意的な運用をしないよう」求める意見が出た。
東京韓商の金淳次会長は、同法について「何が故意で何が悪意なのかはっきりしない。簡単に永住資格を取り消すことは許さない」と訴えてシンポを締め括った。
◆改定入管法の問題点
| ▼永住資格取消基準が不明確 ・故意の公租公課不払い →不払いの金額や年数が不明 ・拘禁刑に処せられた →刑の種類・軽重が不明 |
| ▼内外人平等に反する ・公租公課の滞納(不払い) →日本人…差押え →外国人…永住資格取り消し |
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▼自治体職員の通報制 |
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▼入管庁の〝裁量権〟の拡大 |
入管庁と民団関係者らが意見交換
同シンポに先立つ8日には入管庁の担当者らが中央本部を訪れ、人権擁護委員を中心とする民団側参加者との意見交換の場を持った。
民団側からは「永住者などへの厳しい措置が特別永住者に飛び火させないよう」求める意見や、「特別永住者は日本国籍者に準ずる法的地位を有していることを国会など公の場で示すべきだ」との考えも伝えられた。
民団側からはまた、日本国内の雇用が2030年には約640万人不足するとの試算が出ていることを踏まえ、日本政府としての外国人政策に関する根本的なスタンスを問う場面もあった。