文大統領は「非常時局(非常に大変な時節)に三・一運動の記念式を開くことになった」として、「6.25戦争の惨禍にも、外貨危機が襲った1998年にもこの100年間、一度も欠かさず三・一運動を記念し、団結の大きな力をかみしめた」と振り返り、「今日の危機も必ず克服できる」と強調した。
今回の式典は新型コロナウイルスの感染拡大で、感染症の危機警報が最高レベルの「深刻」に引き上げられたことを受け、規模が大幅に縮小された。
文大統領は昨年、日本政府の対韓輸出規制強化を受けて進めた素材・部品・装備(装置や設備)産業の自立化を取り上げ、「素材・部品・装備の独立を推進できたのも三・一運動の精神と国難克服の底力があったため」と言明。「新型コロナウイルスを乗り越え、委縮した経済も再生できる」と強調した。
北韓に対しては、「保健分野の共同協力を願う」として、「人と家畜の感染症拡散に南北が共に対応し、接境地域の災害や朝鮮半島での気候変動に共同で対処するとき、民族の暮らしはより安全になる」と呼びかけた。
2018年秋の南北首脳会談に合わせた署名された軍事合意にも言及し、「その合意を順守して多様な分野へと協力を拡大していくとき、朝鮮半島の平和も強固なものになる」と強調した。
対日関係では、「日本は常に最も近い隣国だ」としながら「過去を直視してこそ傷を克服することができ、未来へと進むことができる」と強調した。
初代韓国統監を務めた伊藤博文元首相を暗殺した独立運動家、安重根義士を取り上げ、「安重根義士は日本の侵略行為に武力で立ち向かったが、日本に対する敵対を目指したのではなく、共に東洋の平和を実現することが本意であることをしっかり明かした」として、「三・一独立運動の精神も同じ」と述べた。
また、「過去を忘れることはないが、われわれは過去に留まることもない」とし、「日本もまた、そのような姿勢を見せてくれることを願う」と呼びかけた。
その上で、「歴史をかがみとして互いに手をつなぐことが東アジアの平和と繁栄への道だ」と強調。「共に危機を克服し、未来志向の協力関係に向けて共に努力していきたい」と促した。
【聯合ニュース】