掲載日 : [19-06-05] 照会数 : 12381
人種差別撤廃へ法整備求める ヘイトスピーチ対策法施行から3年
[ 「外国人労働者とヘイトスピーチ」について報告する安田浩一さん ]
「ヘイトスピーチ対策法(解消法)」施行から3年。外国人人権法連絡会をはじめとする複数の市民団体が5月29日、参議院議員会館で院内集会を開き、4月から施行された改定入管法と絡めて外国人の人権擁護や人種差別撤廃に向けた支援制度と法整備を訴えた。
安田浩一さん(ジャーナリスト)は、川崎・登戸での無差別殺傷などのような凶悪事件が起きるたびにネット上で「犯人は外国人に違いない」という憎悪にまみれたデマが飛び交い、新定住の外国人がおびえて暮らさざるをえない現状を嘆きながら「これがおもてなしの国」といえるのかと語気を強めた。
鈴木江理子さん(国士館大学教授・社会学)は「差別の事実を認め、法律をつくったことは意義がある」と一定の評価を与えた。一方で啓発に頼る「対策法」の限界も指摘。反人種差別教育、明確な禁止・制裁規定が必要と訴えた。
師岡康子さん(弁護士)も「『対策法』施行から3年経ってもヘイトスピーチとは何かという国によるガイドラインもなく、解消法でできることもほとんどやっていない」と指摘。移住労働者の受け入れの前に禁止規定や罰則をを含めた人種差別撤廃基本法の必要性が高まっていると強調した。