掲載日 : [23-08-23] 照会数 : 3370
人権擁護委員会、相模原市へ罰則付きの規制条例制定を要望
[ 相模原市の石田賢之副市長(右)に要望する民団神奈川本部の李順載団長。左は民団相模原支部の金正秀支団長 ]
【神奈川】民団は8月21日、反差別条例である「相模原市人権尊重のまちづくり条例(仮称)」の制定を進めている相模原市役所を訪ね、市人権政策審議会の答申にのっとった罰則付きの規制条例の制定を要望した。
要望書は民団中央本部人権擁護委員会(李根茁委員長)、民団神奈川本部(李順載団長)と同相模原支部(金正秀支団長)の3団体による連名。
同市からは石田賢之副市長と榎本好二市民局長らが応対した。
はじめに、中央本部の李相哲副局長が、罰則付きの人権条例を制定した川崎市では2021年以降、罰則付き禁止条項に明確に違反するヘイトスピーチが減少していることを指摘。包括的な差別禁止法制度の実現に期待をかけた。
席上、李団長は「川崎市条例の時と同様、私たちはカウンター側に立っていたずらに煽ったりするようなことはしない。粛々と進捗を見ているので心配しないでほしい」と呼びかけた。石井副市長は「審議会も当初の予定より長い期間を費やして討議を重ねてきた。いろいろな意見を持ってる方がいるし、法律の制限もあることなので、慎重に検討していきたい」と述べるにとどまった。
市人権政策審議会は3月23日、2016年の「津久井やまゆり園事件」をヘイトクライム(差別犯罪)とし、悪質な差別的言動を罰則付きで規制する画期的な条例制定を求める答申を木村賢太郎市長に提出していた。
答申のポイントは①悪質なヘイトスピーチへの罰則規制②市内で入居差別を含む差別事案が発生した場合、市が非難声明を出す仕組みを置いた③救済機関「相模原市人権委員会」の設置など。川崎のような在日同胞集住地区がない相模原市でこうした条例が実現すれば、横浜市をはじめとして他自治体への波及効果が大きいと見られる。