掲載日 : [19-09-25] 照会数 : 11162
「韓日友好親善交流を全力で取り組む」中央団長が記者会見
[ 外国特派員協会で会見する呂健二団長(中央) ]
民団中央本部の呂健二団長は24日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見を開き、悪化が続く韓日関係に対する、在日同胞としての憂慮や見解を述べた。呂団長は特に、民団と在日同胞社会の形成や、70年以上にわたって韓日両国に貢献してきた過程を説明しながら、関係悪化によって在日同胞たちが胸を痛めていることを強調し、民団としては地域における草の根民間交流を継続して強化していくことを述べた。
記者会見には海外メディアの特派員やフリージャーナリストら約30人がつめかけ、悪化が続く韓日関係に対する、在日同胞の立場への関心の高さを見せた。
呂団長はまず、祖国解放後から形成された在日同胞社会の歴史的経緯を説明した後、日本国内には南北の分断によって民団と朝総連という見えない38度線が存在していることを述べ、この「分断」によって、対立と葛藤の歴史が続いてきたことを語った。
一方で、民団は1965年の韓日協定以降、在日同胞の生活権を擁護する運動にシフトし、200項目以上あった行政上の国籍条項撤廃を実現してきたことを説き、「これによって在日韓国人だけでなく、他の外国人にも等しく恩恵が与えられた。民団の権益擁護運動は、日本のより開かれた国際化と民主化に大きく役割を果たしてきたと自負している」と強調した。
その上で、最近、テレビや週刊誌など一部のメディアが韓日関係悪化を悪用し、ヘイトスピーチを煽るような特集についても触れ、「同胞子弟の多くは日本の学校に通っており、差別やいじめを煽ることになりかねず、不安だ。メディアの姿勢を問いただしたい」と指摘した。
さらに、「残念なことにメディアの多くはわれわれの存在を誤って理解している。生活者としてではなく、南北対立の身代わり的視点でとらえる時もある。このような現実が昨今の報道に影響している。メディアの皆さんにはもっと在日のことを理解し、本来のメディアの果たすべき姿を望みたい」と付け加えた。
また、6月に大阪を訪問した文在寅大統領との懇談会の席で「韓日の友好親善は在日同胞にとって死活問題だ」と訴えたように、関係悪化が続くことによって、所々で私たちの生活を脅かす現象が起きていることを説明した。
さらに「隣国同士である韓日は紀元前から今日まで様々な交流があった。また、良いときも悪いときもあったが、良好な時の方が圧倒的に多かったと思う。必ずや改善されると信じている」とし、「そのためにも民団では両国の懸け橋となり、地域における市民レベルでの友好親善交流を全力で取り組み、一分一秒でもはやく改善するよう願っている」とアピールした。
コリアンタウンなどでの具体的な影響については、「ヘイトスピーチが野放し状態だった時と違い、幸いにも、若い女性層を中心にK-POP、コスメ、グルメなど、新たな韓流ブームが続き、新大久保などの活気に安堵を感じている」と示した。
一方で、ある同胞が営む電気工事業では、職人たちが取引先から、以前は『社長は韓国の方ですね』と言われたのが、最近では『おまえのとこの社長は朝鮮人だろ』と言われている。そのような見えない部分での差別意識の現れを危惧し、「在日同胞の生活の現場で何が起きようとしているのか、両国の政治家がしっかり把握してほしい」と求めた。