掲載日 : [23-05-26] 照会数 : 4010
「第3回 オリニ事業促進セミナー」開催
[ 韓国中央会館で開かれた「第3回オリニ事業促進セミナー」 ]
[ 東京韓国学校が運営する「オリニ土曜学校」を視察するセミナー参加者 ]
地方でのオリニ事業支援、地域の格差是正へ
次世代育成に取り組む各地の指導者を対象とする「第3回オリニ事業促進セミナー」が13、14の両日、東京・港区の韓国中央会館で開かれた。コロナ禍で停滞しているオリニ事業の現状把握と再構築、および情報交換を目的に、昨年に続き文教局が企画。東北、中北、近畿、四国の7地方本部から文教担当者やオリニ教室講師らが参加した。
今回、主眼を置いたのは同胞過疎のため、自力でのオリニ事業推進にあい路を抱えている地方への個別支援だ。オリニ事業はコロナ禍で行事の縮小を余儀なくされてきた。この結果、中央と地方の間でばらつきが生じている。セミナー冒頭、徐順子文教局長は「格差を縮めなければならない」と強調した。
持続可能なオリニ事業の促進に向けてまず対象の拡大を指示した。これまでは韓国籍の特別永住者と永住者に主眼をおいてきたが、これからは日本籍同胞や新定住者同胞へと広げていく。
オリニ事業の形態としては夏季学校、キャンプ、クリスマス会、遠足、バスハイク、食事会を例示。地域の韓国教育院、青年会などの各級組織との連携を呼びかけた。
後半期に向けては「韓国文化体験教室」を全国化していく方針を明らかにした。内容としてはサムルノリ公演やK‐POPダンス、「昔話」など。主な参加対象はオリニとその家族だが、敬老行事を兼ねて高齢者にも参加を呼びかけていくという。運営にはこれまでオリニ事業に関わってきた中学生以上の青少年や留学生を運営補助要員としてあて、将来の幹部候補生として育てていく考えだ。
徐順子文教局長は必要とあれば中央から人材はもとよりノウハウ、資金も提供していく考えを明らかにしながら、「一緒にやりましょう」と呼びかけた。
13日は全国最大規模の「オリニ土曜学校」を運営している東京韓国学校を現地視察。14日は愛知本部の朴美愛文教部長が「オリニ夏まつり」、秋田本部の呉俊煥事務局長が「オリニ民族文化交流会」、在日韓国ボウリング協会の林永起事務局長は「オリニフェスティバル」についてそれぞれ事例を紹介した。
中央からは文教局の李優志副主任がコロナを機に昨年から事業転換した中・高生対象の「文化探訪スクール」と、大学生のための「ライジングスターセミナー」について事例を報告した。
参加者の一人、民団岐阜本部の金尚道団長は「コツコツやっていくしかない」と静かな闘志を口にしていた。