掲載日 : [23-07-05] 照会数 : 3820
韓信協傘下4組合3月期決算 貸出金が1兆円大台に
[ 横浜幸銀の第7期通常総代会 ]
[ あすか信用組合の第57期通常総代会 ]
[ 近畿産業信用組合の第70期通常総代会 ]
自己資本比率上向く ”財務の健全性さらに”
在日韓国人信用組合協会傘下4組合の2022年3月期決算が出そろった。貸出金は初めて1兆円の大台に乗せ、本業のもうけを示すコア業務純益は12億7500万円増加の93億7400万円となった。財務の健全性を示す自己資本比率は横浜幸銀8・74%、あすか信組8・20%、広島商銀8・25%、愛知商銀8・19%と、いずれも前の期から上昇した。韓信協事務局の金仁植局長は「本業で稼いで利益を出し、配当もきちんと出している。財務の健全性が際立つ結果となった」と分析している。
「地域に寄り添い”伴走型経営”を」 横浜幸銀信用組合
横浜幸銀信用組合(呉龍夫理事長、本店・横浜市)の預金積金残高は前年度比89億9900万円増加し、6181億円。また、貸出金残高は前年度比202億円増加した4657億円だった。
収益面においては、コア業務純益が前年度比2億7700万円増の38億4000万円となったが、営業店の建て替えや移転などによる特別損失を7億9500万円計上した。このため、当期純利益は2863億円と前期3億3600万円を下回る結果となった。
呉理事長は「預金者の大半が高齢者。相続を含めて高齢者対策が重要」と述べ、地域に寄り添った「伴走型経営」を目指していく考えを示した。今後も堅実経営に徹し、貸出金利息を主体としたコア業務純益の確保を目指している。第7期通常総代会は6月26日、横浜市内のホテルで開かれ総代115人中90人(委任状含む)が出席した。
新潟支店を移転
横浜幸銀信用組合は6月5日、新潟支店を移転開店。預金量173億2400万円で再スタートを切った。
移転先はJR新潟駅から繁華街に続く幹線道路に建つ日本生命新潟ビル(地上10階建)の1階部分。新潟市中央区東大通2-4-10 旧店舗からは北東に400㍍離れた場所にある。
「コア業務純益が過去最高を更新」 あすか信用組合
あすか信用組合(金哲也理事長、本店・東京)の2022年度コア業務純益は当初事業計画の30億5000万円を超過達成した36億円を計上。経常利益の32億3000万円、当期純益金21億9000万円とあわせ、いずれもあすか信組としては最高益を更新した。
預金残高は定期預金の伸長によって276億円増加し、過去最高の4019億円となった。貸出残高も261億円増加し過去最高の3393億円。貸出残高はリーマンショック後に一時減少したものの、13年3月以降から再び増加に転じた。
自己資本比率は06年3月末までは7%台で推移。この後、6~7%台で低迷していたが18年3月末から順調に上昇し、23年3月末には前年比0・16ポイント増加した8・20%となった。
また、不良債権比率が2・01%にとどまっていることも、あすか信組の健全性を際立たせている。これは第二地方銀行に近い水準だ。6月23日、東京・新宿区内のホテルで開いた第57期総代会席上、金理事長は「満足のできる決算」だったと、業績を振り返った。
2023年度基本計画によれば、コア業務純益41億5000万円、期末預金積金残4350億円、貸出金3650億円とし、大幅な超過達成をめざす。不良債権は2%以下に圧縮することを目標としている。
総代会は本人出席39人、委任状出席50人の計89人で成立した。
「3期連続最高益配当率2%維持」 近畿産業信用組合
【大阪】近畿産業信用組合(大本崇博理事長、本店・大阪市)の実質業務純益は前年比12億5200万円増(+9・81%)の140億円となり、3期連続で最高益を更新した。純利益は前年比28億8300万円増(+40・83%)の99億4300万円となった。
預貸率72・98%(前年比3・43%増)。自己資本比率は前年比0・11%向上、過去最高の11・86%となり、国内基準の3倍近くに相当する水準を確保した。出資配当率は前期同様2%を維持できる見通し。
大本理事長は「今年度は『〝跳ぶ!〟JUMP』の精神を行動指針として掲げた。収益力の更なる高度化を目指しつつも中小企業を支え、地域社会に貢献していく」と表明した。第70期通常総代会は6月20日、大阪市内のホテルで開かれた。
「配当率1.5%維持」 広島商銀信用組合
広島商銀信用組合(井上一成理事長、本店・広島)は預金1610億800万円(前年同期比26億28万円増)、貸出金1171億9000万円(同5億2700万円減)、預貸率72・79(同1・54ポイント減)。配当率は前期同様1・5%を維持した。第62回代会は6月27日、広島市内のホテルで開催した。
「貸出金が大幅増」 愛知商銀信用組合
愛知商銀信用組合(大原清三理事長、本店・名古屋市)は貸出金が前期より81億6600万円増の880億7500万円(10・2%)と健闘した。当期利益は8億4400万円だった。
預金1146億900万円、預貸率76・85%。第70期総代会は6月27日、名古屋駅前のミッドランドホールで開催した。