掲載日 : [23-02-15] 照会数 : 4315
民族学校で卒業式「成人」への第一歩
[ 白頭学院建国高校の卒業式 ]
[ 大阪金剛インターナショナル高校の卒業式 ]
[ 京都国際高校の卒業式 ]
[ 東京韓国学校高等部の卒業式 ]
コロナ禍3年 乗り越え
民族学校4校で相次いで高等学校の卒業式が執り行われた。この3年間の学生生活はコロナ禍に見舞われ、授業の一部がオンラインに。楽しみにしていた学校行事もその多くが奪われ、理想との違いに悔しい涙をたくさん流してきた。こうした苦しい状況を乗り越え、高校3年生の間に晴れて「成人」となった第1世代だ。
全員が進学
白頭学院建国高校(白川重雄理事長、黄裕錫校長=1月31日) 第73期卒業生58人は全員、進学の道を選んだ。韓国国内は延世、成均館をはじめとする10大学に19人、日本国内が立教、立命館、同志社、関西大学をはじめとする21大学に25人、このほか14人が短期大学と専門学校に進む。
金秀子副校長は「デジタルネイティブとなっているみなさんが世界を変えていってほしい」とはなむけの言葉を贈った。
駐大阪総領事館の金亨駿総領事はグローバル人材へと成長した卒業生に「韓日友好の主役として羽ばたいて」と期待を寄せた。
民団大阪本部から鄭炳采副団長らが参席した。
そろいのガウン
大阪金剛インターナショナル高校(崔潤理事長、姜信哲校長=2月6日) 卒業生25人がおそろいのガウンで式典に臨んだ。
姜校長は「どんなことがあっても屈しない勇気と挑戦する精神で未来に向かって道を切り拓いてください」と激励の言葉を贈った。崔理事長は来日できなかったが、動画でお祝いの気持ちを伝えた。
この3年間、楽しみにしていた留学は中止となり、国際交流はオンラインに。体育祭もなくなった。卒業生は「理想と違いすぎる」と悔し涙を流してきた。一方で、「いままでの毎日があたりまえでなかったと気づくことができた」と、コロナ禍だからこそ得たものがあったとも振り返った。
在校生代表が送辞で卒業生一人ひとりの名前を呼びあげると、各担任の胸にそれぞれが輝いていた姿がよみがえった。
2年ぶり証書授与
京都国際高校(李隆男理事長、朴慶洙校長=4日) 来賓、保護者、在校生を含めての卒業証書授与式は2年ぶり。卒業証書が49人に贈られ、勉学や課外活動で優秀な成績を収めた卒業生への表彰も行われた。
卒業生の主な進路は現在のところ立命館大学1人、同志社大学2人、青山学院大学1人、警察官1人、プロ野球1人。
駐大阪総領事館の金亨駿総領事からは「民間の外交官となり懸け橋としての役割を果たしてくれることを期待する」との祝辞があった。
在校生からは「今後の進路先でも頑張ってください」と気持ちのこもった送辞があった。卒業生代表は後輩へのエールと教職員、保護者への感謝の言葉を述べた。
最後に在校生と一緒に卒業歌を合唱した。
3年ぶり対面で
東京韓国学校(呉公太理事長、鄭會澤校長=4日)第65回高等部卒業式は、新型コロナウイルス感染症長期化の影響により卒業生97人とその保護者1人の参加で3年ぶりに対面で行われた。
鄭會澤校長は93人卒業生一人ひとりにそれぞれ卒業証書を授与した。
鄭校長は「これからそれぞれの道を進みますが、一人ひとり特別な存在であることを忘れずに自分らしく前へ進んでいってください。疲れた時にはTKS高等部のことを振り返って一休みし、また前へ進む準備をしてくれたらうれしい」というメッセージを贈った。
卒業生は主に本国大学が70%、他20数人は首都圏名門大学に進学する。