掲載日 : [18-07-25] 照会数 : 10846
辛淑玉さんへの名誉棄損 東京MXTVが謝罪
[ 記者会見する辛淑玉さん(中央) ]
東京メトロポリタンテ レビジョン(TOKYO MX、伊達寛社長)は20 日、
昨年1月放送の「ニ ュース女子」で辛淑玉さん(人権団体「のりこえねっと」共同代表)に対する名誉を棄損したこと、および人種、民族に対する配慮を欠いた表現があったことを認め、謝罪した。
同日、衆議院第2議員 会館で記者会見した辛さんは、「謝罪は受けいれるが、和解ではない」と強調した。放送内容の検証・訂正、謝罪放送などを要求してきたが、いずれも受け入れられなかったためだ。
代理人からも「おわびにしては人種差別を扇動したとの認識に欠ける。そもそも、なぜこれほどまでに時間がかかったのか」といぶかる声が聞かれた。
辛さんがそれでも謝罪を受け入れたのは「本丸は番組を制作したDHCテレビジョン」との認識があるためだ。
「東京MXにはきっちり詫びを入れてもらい、次の闘いに行きたいと思った」。
DHCテレビジョンと番組の司会を務めた東京新聞の長谷川幸洋論説副主幹(当時)を相手取り31日までに提訴すると明らかにした。
番組「ニュ―ス女子」は「タテマエや綺麗ごとは一切なし!」を売り文 句に、「物知りなおじさん」が「きれいな女子」にニュースを解説するという趣旨のバラエティ― 番組。
2017年1月2日の放送分では冒頭の20分間、沖縄県東村高江の米軍ヘリコプター着陸帯 (ヘリパッド)建設に対する抗議行動を取り上げ、「テロリストみたい」、「(彼らは)日当をもら っている」などのデマを流し「日当を払っている団体」として「のりこえねっと」を名指しし、あたかも辛さんが反対運動の黒幕かのように報道した。
放送倫理・番組向上機構(BPO)は17年12月14日付意見書で「TOKYOMXには重大な放送倫理違反があった」と厳しく批判。
今年5月にはBPO放送倫理検証委員会が再発防止策の報告が不十分とした追加質問をしていた。