掲載日 : [23-02-02] 照会数 : 4575
在日韓人歴史資料館 デジタル化の完了間近
[ 歴史資料館の展示 ]
[ デジタル化の作業場 ]
植民地時代の在日の生活史
本国でも展示へ
在日韓人歴史資料館(李成市館長、韓国中央会館別館)は、21年度から3カ年計画で所蔵資料のデジタル化を進めている。常設展示室の展示物千数百点については、昨年10月から今年1月23日までの休館日を利用して大半の作業を終えた。デジタル化と並行して目録の作成も同時に進んでいる。
紙資料は1枚ずつ、図書・冊子は1㌻ずつ、立体物は様々な角度から数カットずつ専門業者が撮影している。このほか、外国人登録法改正や差別反対運動、特定人物の救命運動などにかかわった様々な団体の発行したミニコミ誌やチラシなど、いまでは手に入れることが難しい資料についても、デジタル化を進めている。
撮影した写真は、23年末までに少なくとも7万カット以上になるものと見込まれている。
20年10月に計画し、21年から着手した。背景には資料が増え続け、収蔵スペースが足りなくなっていること。また、これまで収集した資料の整理と点検の必要性もあったという。
デジタル化した資料は、ソウル市の「在外同胞教育文化センター」内に開設が予定されている「海外移住歴史遺物展示館」で展示することにしている。
在日韓人歴史資料館職員の金辰さんは、次のように展示への期待を語った。
「本国の人は植民地時代の歴史については学校教育で学んでいる。しかし、植民地時代の日本における朝鮮人の生活や、解放以降も日本に残らざるをえなかった同胞たちの歴史についてはあまり知られていない。本国の施設での展示を通して、在日同胞の歴史・文化について知ってもらえたらと思う」
今年の事業としては、1923年の関東大震災から100年の節目に合わせたシンポジウムを9月に計画している。コロナで長らく講演会ができなかっただけに久方ぶりだ。また、忠清南道天安市に建つ独立紀念館との共催で、関東大震災をテーマとした特別展示も企画中。
在日韓人歴史資料館は館の安定的な運営・維持のため、サポーターともいうべき会員を募集している。
個人会員は年間1口3000円(学生・70歳以上は2000円)、賛助会員は1口30000円。郵便振替口座(00130‐7‐464564)から払い込み。
特典として展示室の入館が無料になり所蔵図書の貸出サービスも受けられる。セミナーやイベントの参加費も割引に。
問い合わせは同資料館(03・3457・1088)