掲載日 : [23-01-04] 照会数 : 4478
尹大統領、新年辞で経済危機克服と3大改革推進を強調
[ 1日、大統領室庁舎で「新年辞」を発表した尹錫悦大統領 写真=大統領室 ]
尹錫悦大統領が新年の辞で経済危機の克服と労働・教育・年金の3大改革推進を強調した。尹大統領は1日午前、龍山の大統領室ブリーフィングルームで発表した約2600字分量の「新年の辞」で「経済」に11回、「改革」に8回言及した。演説をするたびに強調してきた自由・法治・連帯はそれぞれ3回で、北朝鮮への言及は一切なかった。
尹大統領は今年の経済状況について「グローバルサプライチェーン問題による原材料価格の急騰と物価の上昇に対して世界各国は利上げ政策で対応してきた」とし「世界経済はいつよりも景気沈滞の可能性が高い」と診断した。続いて「その余波が我々の実物経済の鈍化につながりかねない厳しい経済状況を綿密に点検する」とし「避けられない利上げが我々の家計と企業の過度な債務負担に拡大しないよう先制的に管理する」と述べた。
高物価による利上げという外的環境に対して被害最小化の原則を明らかにしたものだが、積極的な対策で輸出戦略と「スタートアップコリア」に要約される新産業の育成を強調した。
尹大統領はまず「輸出は我々の経済の根幹であり雇用の源泉」とし「すべての外交の中心を経済に置き、輸出戦略を直接管理する」と話した。輸出戦略の具体的な方法論として「海外受注500億ドルプロジェクトを稼働し、インフラ建設と原発・防衛産業分野を新しい輸出動力に育成する」とし「貿易金融を歴代最大規模の360兆ウォン(約37兆円)に拡大するなど、あらゆる政策力量を総動員する」と話した。
また「企業家精神を持つ未来の世代が新しい技術と産業に挑戦し、その挑戦が花を咲かせられるよう支援を惜しまない」とし「IT(情報通信)、バイオ産業だけでなく、防衛産業と原子力、炭素中立とエンターテインメントを網羅するスタートアップコリアの時代を開く」と述べた。昨年6月の宇宙ロケット「ヌリ号」打ち上げ成功に言及した尹大統領は「宇宙航空・人工知能・先端バイオなど核心戦略技術と未来技術市場を先に確保するための支援を徹底する」と強調した。
尹大統領は昨年の貨物連帯のストライキをきっかけに加速し始めた労働改革を筆頭に教育・年金まで3大改革について「大韓民国の未来と未来世代の運命がかかった3大改革をこれ以上先送りすることはできない」と主張した。「既得権の維持とレントシーキングに埋没した国には未来がない」と述べながらだ。
労働改革について尹大統領は「労働市場を柔軟に変えながら労使および労労関係の公正性を確立し、労働市場の二重構造を改善しなければいけない」とし「職務中心、成果給中心への転換を推進する企業と、貴族強硬労組と妥協して年功序列システムに埋没する企業に対する政府の支援も差別化されるべきだ」と話した。また「労働改革の出発点は『労使法治主義』であり、不必要な争議と葛藤を予防して労働の価値を尊重できる道だ」と付け加えた。
教育改革の解決法としては果敢な権限の委譲を公約した。尹大統領は「高等教育に対する権限を地域に果敢に委譲し、その地域の産業と連係していけるように支援する」とし「教育改革なしには地域均衡発展は難しく、地域均衡発展は少子化問題解決の近道になる」と強調した。年金改革については「年金改革に成功した国の共通点は、社会的な合意を目標に長期間にわたり研究し、議論し、結論に到達したこと」とし「科学的な調査・研究、国民の意見と公論化作業を迅速に推進し、国会に改革案を提出する」と述べた。
尹大統領は「既得権の執着は執拗であり、既得権との妥協は容易で楽な道だが、我々は決して小さな海に満足したことはない。2023年の新年、自由が生きて呼吸し、機会が大きく開かれるより大きな海に向かって進もう」という言葉で「新年の辞」を締めくくった。