掲載日 : [22-06-15] 照会数 : 7210
東北地協7地方団長への「公開質問書」
■東北地協7地方団長への公開質問書
朴安淳・民団中央本部議長
2022年6月14日
重大事実・暴挙の隠蔽に手を貸す奇怪な「要望書」
なぜ、「なかった」ことを「あった」ことに
なぜ、「あった」ことを「なかった」ことに
民団東北地方協議会7地方団長が5月2日に民団中央組織局に送信した「要望書」を見て驚きました。「三機関長の信任を問う臨時中央大会の開催を要望」する「要望書」を「民団中央三機関長に提出する」となっていますが、6月14日現在、まだ中央本部議長の私には送られてきていません。
「要望書」が届くのを待って、事実歪曲・疑問点などについて、民団東北地協(協議会長:李純午宮城県本部団長)に直接確認したいと考えていました。ところが、「臨時大会開催求める会通信・第7号」(5月16日)には「東北地協要望書」の全文(写真)および記事が大きく掲載されています。「求める会通信」は、各地方本部はもとより中央委員・代議員にも郵送されているということです。このため受信:中央本部組織局(参照:民団中央本部三機関長)の「要望書」に基づいて、「公開質問書」を書くことにしました。
率直に言って、「要望書」の内容に、強い違和感を持ちました。▼「なかった」こと、「ありえない」ことを「あった」こととし▼「あった」(重大事実)ことを、あたかも「なかった」かのように触れず、隠蔽に手を貸しているからです。「要望書」は、第76回定期中央委員会に関する全く事実に反した主張から始まり、「許しがたい行為である」「看過する事は絶対できない」「驚くべき事実である」などと、具体的根拠を示すことなく、「これら一連の事態を深く憂慮し」などと、あたかもすべてが事実であるかのように断定的な強い調子の字句が目につき、中央委員会に参加していない人々をミスリードするものです。
「要請文」作成の理由を示す冒頭のくだりは次のとおりです。「第76回定期中央委員会は民団の組織混乱を収束する契機とされていたが、議決機関の強権的な議事進行、執行機関の恣意的な運営を始めとする上程議案等がその期待を台無しにしてしまった」。「…を始めとする上程議案等がその期待を台無しにしてしまった」とは、具体的に何を言っているのか不明で、理解できません。そもそも「議決機関の強権的な議事進行」も「執行機関の恣意的な運営」も、「上程議案」ではありません。支離滅裂です。冒頭から議決機関と執行機関への悪印象を強くするための「恣意的」で牽強付会のイメージ操作であり、情報操作とみなさざるを得ません。
冒頭の文章の主語は「中央委員会」です。「執行機関による中央委員会の運営」などありえません。実際に、3月の定期中央委員会において「執行機関の恣意的な運営」などありませんでした。「中央委員会運営規定」は、「議長は会議の開会と閉会を宣言し、各種の議案と討論等の順序を定めて、整理と表決に附し、(略)中央委員会を代表する」(第11条)と明記しています。そして「議長は会議の秩序が乱れた時は、発言の取消と退場を命ずる」ことができます(第14条)。「中央委員会を代表する議長」、「議決機関」を差し置いて執行機関が何を「恣意的に運営」したというのでしょうか。全く事実でないこと、「ありえない」ことを、あたかも「あった」こととしています。つまり、「要望書」は、事実でないこと・虚偽を大前提にして作成されています。
なぜ、東北地協の7地方団長は、事実を捻じ曲げ、全くありもしないことをもって議決機関および執行機関を一方的に誹謗中傷する「要望書」を作成したのでしょうか。
「議決機関の強権的な議事進行」も事実ではありません。「定期中央委員会の混乱」は、呉公太「臨時大会開催を求める会」共同代表・李壽源東京本部団長(旧「民団中央正常化委員会」代表)グループの計画的な議事進行妨害工作によるものでした。そのことは「求める会」が、金春植中央監察委員長参加のもとに前日に大阪市内のホテルで開いた「第76回中央委員会において臨時大会開催を勝ち取る決起集会」で配布した8ページからなる詳細なシナリオ文書・台本(「中央委員会での質問事項等」)からして一目瞭然です。
ところが「要望書」は、「定期中央委員会の混乱」について具体的かつ真摯に検証するのに不可欠なものである、この「台本」について、一言も触れていません。なぜでしょうか。東北地協7地方団長も「台本」の存在およびその中身をよく承知しているはずです。「台本」は問題になるような重要なものではなく、無視してもかまわないとの認識なのでしょうか。
「台本」は、「中央委員会の《第1幕》」で「議長を立ち往生させるほどの攻撃で議長の威信を貶める」と明記しています。具体的場面での発言者名および発言回数・内容が書かれています。しかも、「参加者=(言いたい放題の自由発言で大騒ぎ)」、「参加者=(「議長は何ひとつ決められないのか」など、言いたい放題で大騒ぎ)」、「参加者=(言いたい放題の自由発言で大騒ぎ)」――などと6か所にわたり「大騒ぎ」することを指示しています。さらに、「台本」には「監察委=(無理やり登壇し)…」などと中央監察委員会の役割分担(2箇所・発言内容)まで具体的に明記されています。金春植委員長との事前協議・合意のもとに作成されたことを示しています。
民団組織・同胞にとって重要な年一回の定期中央委員会を、真摯な討論、審議、決定の場ではなく、「求める会」の目的達成のために開会早々から「言いたい放題で大騒ぎ」の混乱・無秩序な場にしようと計画したのです。あろうことか、このような計画に金春植監察委員長も積極的に参画していたのです。彼らは、最重要議題である民団の過去1年間の活動の総括および今年度の活動方針と予算案に対する真摯な討議・決定には最初から関心すらなかったのです。
このため、議長の私が、まず最重要議題の報告および審議・採択を優先し、その後に「其の他」のところで「臨時大会の開催を求める動議」などの提案があれば受けると、再三説明し明言しているにもかかわらず、「台本」どおりに議長の許可なしの不規則発言を連発して止めなかったのです。だが、大多数の中央委員の共感を得られず、李壽源東京団長の「退場しよう」との一声で、活動方針と予算案に対する審議を前に「集団退出」し、自ら中央委員権、表決権を放棄したのです。
ちなみに、私たち議決機関では、今回の中央委員会開催に先立って、「民主的な社会では、真理や正義は当事者たちの議論の中で形成されていきます。中央委員には、民団・同胞社会のより良い将来に向けて努力するという責任があります。団員から負託されている責務の重みを自覚し、事実に立脚した理性的な討議、そして決断に加わることは権利であり義務でもあります」と、文書(3月14日)をもって中央委員に呼びかけていました。
東北地協7地方団長の「要望書」は、「監察機関の途中退出」事実に触れながらも、なぜか、それに先立つ「求める会」の指示に基づく「一部中央委員の途中集団退出」という暴挙については、なかったことであるかのように全く言及していません。
しかも、「要望書」は「監察機関がいかなる理由があったにせよ途中退出するべきではない重責を担っていることを考慮すれば、遺憾ながら職務放棄との非難に対し、謙虚に耳を傾けなければならない」と述べるだけで、それこそ「看過する事は絶対できない」中央監察機関による重大な規約違反、つまり「中央委員会を混乱させるための『求める会』による『台本』作成への参加および役割分担、そして中央委員会での実行(張仙鶴監察委員による不規則発言・虚偽発言)」という明白かつ重大な事実については、やはりなかったかのように、全く言及していないのは、なぜでしょうか。
「監察委員会運営規定」は第1条(目的)で「本規定は監察委員会が本団規約第3章第3節第33条によりその任務を不羈独立の立場から厳正中立、公明正大に遂行することを目的としている」と明記しています。「規約の番人」として誰よりも規約を率先順守しなければならぬ金春植委員長の、呉公太共同代表と一体となった「台本」作成および役割分担は、中央監察機関の基本的信頼性に関わるかつてない深刻な事態です。それにもかかわらず、「要望書」は、このような前代未聞の中央監察委員長の暴挙について、批判しないばかりか、ほおかぶりすることで隠蔽に手を貸しています。
金春植委員長は、「台本」共作および役割分担について、中央委員会の場でその事実を批判され責任を問われたにもかかわらず、沈黙して答えませんでした。そして説明責任を果たすことなく、中央委員会の途中で無言で退席、監察機関の任務と責任を放棄したのです。いまだに謝罪していません。それどころか、「監察機関の見解を聞きたいとのことなので(「求める会」の決起集会に)参席したにすぎない」(4月20日付公文)と平然と嘘をつき、「台本」共作・役割分担事実については隠蔽に努めています。
「要望書」は、中央委員会で①「議決機関報告」と「監察機関職務検証委員会報告」を含む「執行機関報告」を原案どおり承認し②「現在の民団の混乱は呂健二団長と朴安淳議長による組織の私物化にある」などと詭弁を弄して、「中央団長及び中央議長に対する辞職勧告」を正当化するなど、「監察機関職務検証委員会報告」と真逆の内容の「監察機関報告」は反対多数で否決された――事実についても、なぜか全く言及しておりません。
今回の中央委員会では、「組織防衛」の先頭に立たねばならない金春植委員長が会議の混乱化策動の共謀者であることが明白となりました。「中央委員会を台無しにしてしまった」のは、私、朴安淳議長でも呂健二団長でもありません。金春植委員長だったのです。《「議決機関報告」と「執行機関報告」の承認/「監察機関報告」の否決》は、「呂健二団長と朴安淳議長の信任」・「金春植監察委員長の不信任」をも意味しています。
「なかったことをあったこと」として中央団長および中央議長を誹謗中傷し、「あったことをなかったこと」として中央監察委員長による空前絶後の規約違反事実の隠蔽に手を貸し、「三機関長の信任を問う臨時中央大会の開催を要望」する「要望書」は、「為(ため)にするもの」との批判を免れないでしょう。
1、「なかった」こと、「ありえない」ことを「あった」ことにして、中央議決機関と執行機関を誹謗中傷しているのは、なぜなのか。
2、「重要な事実」について、あたかも「なかった」かのように触れず、隠蔽に手を貸しているのは、なぜなのか。
3、「定期中央委員会の混乱」について検証するのに不可欠な「求める会」と中央監察委員会共作の「台本」について、一言半句もないのは、なぜなのか。
4、「監察機関の途中退出」事実に触れながらも、それに先立つ「求める会」の指示に基づく「一部中央委員の途中集団退出」という暴挙について、全く言及していないのは、なぜなのか。
5、中央監察機関による重大な規約違反、つまり「求める会」による「台本」作成への参加および中央委員会での役割分担という明白な事実についても、やはりなかったかのように、全く言及していないのは、なぜなのか。
6、「議決機関報告」と「監察機関職務検証委員会報告」を含む「執行機関報告」の承認、そして「監察機関報告」の否決事実について、全く言及していないのは、なぜなのか。
このような指摘や疑問について、真摯かつすみやかに文書をもって明示的に返答してくれるよう東北地協7地方団長に望んでやみません。